ネットの多様性を殺す? スマホ動画等「見放題」への逆風とは

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

総務省が「指針案」

   2つの公平性の問題が指摘される。

   まず、ネットワーク利用者間の公平性だ。ゼロレーティング利用者が通信網を過剰に消費して混雑を招き、非利用者に影響を与えかねないとの懸念がある。

   もうひとつは、コンテンツ事業者間の公平性だ。ゼロレーティングサービスは特定のアプリを優遇することになり、人気コンテンツに利用者が集中する。実態としてフェイスブックやグーグルなど大手IT(情報技術)企業などの人気サービスを対象にすることが多くなり、中小のコンテンツ事業者が育ちにくくなる懸念が指摘される。通信事業者コンテンツを優遇し、他の多様なコンテンツを失う恐れがあるということだ。「ネットの多様性がうしなわれれば、価値観の多様性が失われかねず、ひいては言論の自由をも脅かす可能性がある」(大手紙経済部デスク)と指摘される。

   総務省は2018年に、有識者による研究会を立ち上げ、ゼロレーティングの在り方について検討し、その議論を踏まえて19年末に「指針案」をまとめた。

   その第1のポイントは、例外をなくし一律で速度制限をかけることが望ましいとしたことだ。電気通信事業法は通信事業者に対し、サービス提供の際に不当な差別的取り扱いをしないよう禁じているのが根拠。具体的には、通信事業者に対しては、利用者が契約している上限データ通信量を超過した場合、ゼロレーティング対象コンテンツも含めて一律に通信速度制限(速度が遅くなる)を実施することを求めている。

姉妹サイト