課題はコスト
さらに、動物愛護から肉を食べない人もいる。肉・魚など動物性たんぱく質を食べない「ベジタリアン(菜食主義者)」、さらに乳製品やはちみつも含め動物性食品を一切摂らない「ビーガン(絶対菜食主義者)」が増えていることも見逃せない。ビーガンは米国で2017年に1960万人に達し、その後も急増中という。
こうした背景を考えれば、代替肉が増えていくのは間違いなさそうだ。米国の大手コンサルティング会社「A・T・カーニー」は、2040年の食肉の世界市場規模が1.8兆ドル(約200兆円)となり、そのうち「従来の肉」40%で、培養肉35%、植物由来25%と見込んでいる。
ただ、課題もある。最大のものがコストだ。数年前、出始めた当初の培養肉のハンバーグは3000万円、今は大幅に下がってきているが、それでも数千円といわれ、商業ベースに乗るのはまだ先。コスト的には従来からの肉に近づいている植物由来のものも、味・食感などを含め技術上の課題はなお残る。さらに表示ルールについても、肉ではないものを肉のように見せるだけに、従来の肉と明確に区別するよう、早めにルールを整える必要がありそうだ。