月刊誌『映画秘宝』などで知られる洋泉社は2020年1月31日、宝島社への吸収合併にともなって解散する。公式サイトについても27日、「このHPも、1月31日をもって、閉鎖させていただくことといたします」と閉じることを発表していた。
吸収合併されるのは2月1日。洋泉社にとって最後の日となった31日、ツイッターでは「素晴らしい思い出を有り難うございました」「なんだかもう胸がいっぱいで、ありがとうございましたの言葉しか出てきません」と感謝や惜別の言葉が続々とあがった。
「サヨナラだけが人生だ」
洋泉社は27日、公式サイトに「株式会社洋泉社は、2020年2月1日をもって、株式会社宝島社に吸収合併されることとなり、1月31日をもって解散することになりました。つきましては、このHPも、1月31日をもって、閉鎖させていただくことといたします。長い間のご愛顧、ありがとうございました」とのコメントを掲載した。
親会社である宝島社への吸収合併が明らかになったのは19年12月。人気月刊誌『映画秘宝』も20年1月発売の3月号をもって休刊することになった。同誌公式ツイッターは編集長名義で「『映画秘宝』は、日本一売れている映画雑誌のまま、休刊いたします」(19年12月21日)とのコメントを発表。同号は創刊25周年記念号だった。
解散の日を迎えた20年1月31日、同誌公式ツイッターは、
「本日で洋泉社解散のため、『映画秘宝』も最期の日です。本日1月31日は、川勝正幸さんの命日でもあります。1月31日はポップカルチャーにとって忘れえぬ日付として、一生心に刻みたいと思います。せめて、今夜は飲もう友よ。花に嵐のたとえもあるぞ。サヨナラだけが人生だ。サヨナラだけが人生だ」
と惜別のメッセージを投稿。12年に亡くなった編集者・ライターの川勝正幸さんは、映画や音楽などのポップカルチャーに関する書籍を数多く手がけた。
洋泉社発行のムック『別冊映画秘宝 特撮秘宝』の公式ツイッターも31日、「今日で洋泉社がなくなります。皆様本当にありがとうございました。洋泉社の本は書店在庫がすべてです。新たに注文はできませんので、見かけたらぜひご購入いただけたらと思います」と感謝の言葉をつづっている。
あふれる別れの声、洋泉社に聞くと...
ツイッター上では惜しむ声が相次ぎ寄せられた。「本当にありがとうございました...我が本棚の大部分が洋泉社さんの本が今でも輝いています」「素晴らしい思い出を有り難うございました」「貴社の本で知ることができたさまざまな情報は、今でも私の宝です」「なんだかもう胸がいっぱいで、ありがとうございましたの言葉しか出てきません」といったファンの声のほか、出版関係者も続々とメッセージを投稿している。
宝島社の広報は31日、J-CASTニュースのメールでの取材に対し、洋泉社の公式サイトが閉鎖する時刻について「(閲覧できるのは)1月31日中までとなっております。2月1日(土)0時(24時)~閉鎖となります」と回答。『映画秘宝』のウェブサイトとツイッター、『特撮秘宝』のツイッターは現在も更新が続いているが、これらも閉鎖するかどうかについては「未定です」とした。洋泉社発行の書籍は2月1日以降、「宝島社にて、引き続き販売をしております」と答えた。
インターネット上で洋泉社への感謝と惜別の声が相次いでいることについて、
「これまで洋泉社の商品をお手に取ってくださった皆様に心より感謝申し上げます。 長らくご愛顧いただきありがとうございました。 今後は、宝島社を何卒よろしくお願い申し上げます」
との言葉を寄せた。
(J-CASTニュース編集部 青木正典)
本日で洋泉社解散のため、『映画秘宝』も最期の日です。
— 映画秘宝 (@eigahiho) January 31, 2020
本日1月31日は、川勝正幸さんの命日でもあります。
1月31日はポップカルチャーにとって忘れえぬ日付として、一生心に刻みたいと思います。
せめて、今夜は飲もう友よ。
花に嵐のたとえもあるぞ。
サヨナラだけが人生だ。サヨナラだけが人生だ。 pic.twitter.com/cpZCFvW77p