化石賞って実際のところ、どんな賞なのか? もらったのは日本だけじゃない

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    小泉進次郎環境相が国会で、日本が受賞した「化石賞」について「こんなに報じるのも日本ぐらいだ」と不満をもらした。世界の環境団体でつくるNGO(非政府組織)が、地球温暖化対策の推進を阻害する国に皮肉を込めて贈る賞で、先のCOP25(第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議)の期間中、日本は2回「受賞」した。

    小泉環境相は「日本のみがもらっている、と受け止めている方がかなり多い」とも。当該団体サイトで確認すると、期間中に少なくとも9か国(他にEUや「先進国」など)が受賞、1国で6回も受けたケースもあった。

  • 小泉環境相が国会で「化石賞」について答弁した(画像は参議院インターネット審議中継の動画より)
    小泉環境相が国会で「化石賞」について答弁した(画像は参議院インターネット審議中継の動画より)
  • 小泉環境相が国会で「化石賞」について答弁した(画像は参議院インターネット審議中継の動画より)

「好きなのは日本くらいでしょうね」

    小泉環境相は2020年1月31日の参院予算委員会で、「化石賞」について「好きなのは日本くらいでしょうね。こんなに報じるのも日本ぐらいだと思います」と述べた。19年12月、スペイン・マドリードで開かれたCOP25の期間中、国際NGO「気候行動ネットワーク」(CAN)が連日、「化石賞」(The Fossil of the Day awards)を発表し、日本は2回、賞を受けた。

    受賞の報道はたとえば、「最初の『化石賞』に日本 COP25 経産相発言を批判」(朝日新聞デジタル版、19年12月4日)、「脱石炭示さぬ日本に再び『化石賞』 COP25で環境団体」(日本経済新聞19年12月12日デジタル版、共同通信原稿)などが見つかる。いずれも記事では、日本以外の国も同時に受賞したことに触れている。

    「化石賞」は他にどんな国に授けられたのか。CANサイトによると、同団体は世界120カ国を超える、1300団体以上のNGOの世界的なネットワークだ。「化石賞」は1999年に初めて贈られた。地球温暖化対策の進展をブロックするのに「ベスト」を尽くした国々をCANのメンバーたちが投票して決める。

    先のCOP25での「化石賞」発表状況は、CANサイト内の検索で確認できた範囲では、以下のようなものだった(日付は現地時間)。

6回もらった国は?

12月3日:オーストラリア、ブラジル、日本(記載順)
4日:(第1)ボスニア、スロベニア、(第2)オーストラリア、(第3)ベルギー
5日:米国、ロシア
7日:米国
9日:(第1)米国、(第2)米国、オーストラリア、(第3)米国、カナダ
11日:(第1)日本、(第2)ブラジル
12日:(第1)米国、(第2)EU(欧州連合)、カナダ、オーストラリアに特に言及して先進国、(第3)オーストラリア
13日:大賞(Colossal Fossil award)ブラジル

    上記結果をまとめると(12日の「第2」については、「特に言及」された国・地域統合体を計算対象とする)、9カ国とEUと先進国が受賞した。米国は6回、オーストラリアは5回受けている。ブラジル3回(大賞含む)、日本とカナダは2回だった。

    小泉環境相は今回の予算委で、「日本のみがもらっている、と受け止めている方がかなり多いんじゃないでしょうか」と述べ、上記のような発表状況の一端を紹介。続く質問に対しては、「日本は脱炭素社会に後ろ向きではないんだ」というメッセージを世界に届けるために、「前向きなアクションも必要だと、こういった発信をしっかりやっていきたい」と答弁していた。

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