厚労省「過剰に心配することなく...」
新型コロナウイルスの潜伏期間は14日程度とみられている。武漢渡航歴のない人の感染も確認され、厚労省は人から人への感染が起きていると認めた。潜伏期間中や、症状が出ていない感染者からも感染する可能性があるとされている。
とはいえ、同省は30日午後の公式サイトでの発表でも、「現時点では広く流行が認められている状況ではありません」として、
「国民の皆様におかれては、過剰に心配することなく季節性インフルエンザと同様に咳エチケットや手洗いなどの基本的な感染症対策に努めていただくようお願いいたします」
とのメッセージを掲載。また、「武漢市から帰国・入国される方あるいはこれらの方と接触された方におかれましては、咳や発熱等の症状がある場合には、マスクを着用するなどし、事前に医療機関へ連絡したうえで、受診していただきますよう、御協力をお願いします。また、医療機関の受診にあっては、武漢市の滞在歴があることまたは武漢市に滞在歴がある方と接触したことを事前に申し出てください」とした。
前出の勝田氏は、新型コロナウイルスの感染経路について「飛沫感染です。ウイルスを包んだ飛沫(痰・つば・鼻汁)を介して感染します。それが口・鼻・眼の粘膜が侵入門戸となって入ります。あるいは飛沫が表面に不着したドアノブや手すりに触れた手などを介して感染します」と説明する。
したがって予防方法は「飛沫感染対策として、手洗い(手についたものを洗い、顔をさわったときに口・鼻・眼から入るのを防ぐ)、咳エチケット、ドアノブ等を頻繁にふくといったものがあります。飛沫感染するインフルエンザとまったく同じです」という。一方、「麻疹(はしか)ウイルス(飛沫核感染=空気感染)とは異なります。基本再生産数は麻疹の場合12~18に上りますが、新型コロナウイルスは麻疹のように空気感染しないため、感染力は麻疹の1/10くらいになります」と話した。
武漢への政府チャーター機は30日、第2便が羽田空港に到着。帰国した日本人210人のうち、発熱などの症状がある13人が病院に搬送された。やはり強制的な全員隔離はせず、症状のない人は検査を受けたうえで、政府が用意した滞在先の警察大学校(東京都府中市)などへ移動した。