武漢チャーター機の帰国者は「全員隔離」すべきか 新型コロナ対策、専門家に見解を聞く

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「症状がない人は、『条件つきで』帰宅することもあり得ます」

   症状の有無を問わず、武漢に派遣したチャーター機での帰国者は全員隔離すべきなのか。関西福祉大学教授で医学博士、元外務省医務官の勝田吉彰氏はJ-CASTニュースの取材に次のように見解を示す。

「有症状者は隔離すべきで、すでに(入院しているため)そうなっています。『基本再生産数』という、1人の感染者が平均何人に感染させるかを表す数字がありますが、今回は1.4~2.5です。つまり、2人前後に感染させるリスクがあるからです。
一方、症状がない人は、『条件つきで』帰宅することもあり得ます。毎日2回体温を報告してもらい、呼吸器症状の有無も報告してもらいます。そして、症状が出たらすぐに病院に隔離できる、というのが条件です。帰国者のうち希望者は千葉県のホテルに宿泊し、多くの方が希望しているということですから、事実上の全員隔離になっているように思います。ただ、部屋数が人数分用意されておらず、相部屋になっている方々もいます。できれば全員部屋を分けた方がいいです」

   症状の有無による対応の違いについて、勝田氏はこう話す。

「症状が出ている人については検査できますが、症状がまったくない人に対しては強制的に検査できる法的根拠がありません。実際、第1便チャーター機の2人は同意を得られなかったので、強制的に検査できなかったのです。ただ、多くの方が検査を受けることに同意したことで、帰国者の意思によって、この事実上の全員隔離状態になることができたと言えます」

   ホテルでなく自宅待機となった人についても「先ほどの条件にしたがって1日2回、健康状態を報告する形をとれば、遅くとも半日遅れで症状が出たことを把握できます。不要の外出を控え、経過観察ができていれば、『見えない糸でつながった隔離』と言えます」と話した。

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