「営業利益率倍増」には懐疑的な見方も
2019年9月中間決算の内容を確認しておこう。売上高は前年同期比1.9%増の3891億円、営業利益は17倍の509億円。純損益は360億円の黒字(前年同期は54億円の赤字)だった。前年同期にあった過去の不正会計を巡る訴訟の和解金やデジタルカメラ工場の閉鎖費用がなく、その反動で業績が改善。営業利益は過去最高を更新した。刷新した経営体制のもと、不祥事などの負の遺産から脱し、次のステージに向かう準備が整いつつあることを示している。
野村証券は15日配信のリポートで目標株価を1600円から2050円に引き上げた。「2020年3月期の上期は50億円前後の実質的コスト削減となり、4~6月期(6億円)に比べコスト削減効果が大きい」とし、「医療機器事業の成長性と採算性の改善を評価」した。「短期的には好業績が続く」とも指摘している。2019年末以降、国内3大証券以外にもクレディ・スイス証券や三菱UFJモルガン・スタンレー証券も目標株価を引き上げており、投資家の買いを後押ししている。
ただ、経営戦略における野心的な「営業利益率倍増」については、「根拠となる具体的な施策が示されていない」として懐疑的な見方も株式市場にある。さらに株価が上抜けるには、さらに実績で示していく必要がありそうだ。