須田亜香里はどこに行く? J-CASTに語った「総選挙」「卒業」そして「その後」

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   SKE48の26枚目のシングル「ソーユートコあるよね?」(2020年1月15日発売)で、初めてのセンターポジションに起用された須田亜香里さん(28)は、18年の選抜総選挙で2位にランクインして活躍の場を広げた。だが、仮に20年に総選挙が復活したとしても「あの投票条件で見られる景色は現状見尽くした」として、不出馬の可能性も示唆した。

   須田さんは、AKB48グループでは柏木由紀さん(28)に次ぐ年長者だ。インタビューの後半では、18年まで10年間にわたって行われてきた選抜総選挙や、自らが現在所属するSKE48、「卒業後」を見据えた活動への思いを聞いた。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集部 工藤博司)

  • SKE48の須田亜香里さん。選抜総選挙が2020年に開催されたとしても「今までと同じ方法だったら出ないかな」と話す
    SKE48の須田亜香里さん。選抜総選挙が2020年に開催されたとしても「今までと同じ方法だったら出ないかな」と話す
  • SKE48の須田亜香里さん。選抜総選挙が2020年に開催されたとしても「今までと同じ方法だったら出ないかな」と話す

紅白での「私はこっちか」発言、真相は?

―― ここ数年はバラエティー番組での活躍が広がり、知名度があがりました。ところが最近のインタビューでは「私の場合は知名度は上がってもファンはなかなか増えない」「他のメンバーがテレビに出ると、頑張った分だけしっかりファンが増えている」(1月3日、スポーツニッポン)とも話しています。これは非常に意外だと思いましたが、バラエティーで活躍してもファンは増えない、ということなのでしょうか。そうなると、今回のセンター抜擢を機に、今後は「正統派」アイドルに回帰していくのですか。

須田: 私は1回番組に出ると2、3回分出ているように見えるみたいなんです。声に特徴があったり表情もすごく豊かな分、テレビ越しにすごく主張が激しいらしいんですよ。

―― 「主張が激しく」見える分、視聴者としては「お腹一杯」となってしまうのでしょうか。主張の激しさと言えば、2019年末のNHK紅白歌合戦リハーサルで、須田さんがフォトセッション後の囲み取材(コメント取材)に参加するメンバーに選ばれなかったことについて

「『あぁ、私はこっちか......』と、報道陣に聞こえる声で囲みに参加できないのが残念な様子を見せ楽屋へ帰っていく須田亜香里を見かけた」(19年12月29日、日刊SPA!)

と報じられていました。見出しは「紅白リハでみせた須田亜香里の貪欲さ」でしたね。

須田: あれ、すごく恥ずかしいんですけど...!(苦笑)

―― 自分もNHKホールの現場で、列が分かれていく様子は見ていました。実際にそうおっしゃったんですか。

須田: 言ったんですよ!すごく恥ずかしい(笑)。本当に嫌味でもなんでもなくフォトセッションに出られるのがすごくうれしかったんです。フォトセッションに選ばれることも少なかったので、「珍しいな、私がフォトセッションに行かせてもらえるなんて」と思っていたのですが...。私は結構独り言が大きくて、思ったことも全部言ってしまうんですよ。すぐそこに囲み取材の準備をしようとする記者の方がいらっしゃる中で、スタッフさんから「囲みがあるメンバーこっち、ないメンバーこっち」と言われて、思わず「私はこっちか」と言ってしまったんです。

―― なるほど...!顛末が分かってよかったです。これは余談になりますが、フォトセッションは各姉妹グループのメンバーが選ばれていたのに対して、囲み取材に出たのはAKB48の5人と、中国・上海の「Team SH」の1人でした。自分は福岡市の出身ですが、こういう場で(福岡を拠点にする)HKT48の田中美久さん(18)や須田さんといった国内姉妹グループメンバーからの発言の機会がないのは残念なことです。さて、ファンが増えない原因が「主張の激しさ」にあるとすれば、今回のセンター抜擢でアイドルの「本業」で露出が増えることになるわけで、ファンは増えそうですね。

SKE48に関心持つ人増えれば自分がセンターに立つ意味はある

須田: どうなんだろ!?私はただスピーカーになれたらいいな、という感じですね。今(編注:取材は1月14日に行われた)、渋谷の街頭ビジョンで動画を流していただいていますが、私の声がした瞬間にフッと顔を上げてくれる人がいるのを見ると、「私の声これでよかった」とすごく思います。あまり自分の声は好きではなく、コンプレックスもありますが、声をきっかけに画面を見て「あっ、見たことある子がいる」と思ってSKE48に関心を持ってくれる人がいるのであれば、自分がセンターに立たせてもらう意味はあると思うし、私の横にいるメンバーのファンになった、とかでも十分私は嬉しいです。自分がSKE48のためにできることがまだあったということは自分にとっても自信になるので、そういう意味では、すごく幸せなセンターを今のタイミングで頂いたと思います。

―― 1月13日放送の「中居君決めて!」(TBS)では、「常に自分を追い込んでいる姿が似合うらしい」「崖っぷち感がある方がファンが増える」と話していました。今回のセンターで、自分を追い込んでいる姿をファンが見れば、さらに人気が出るかもしれません。

須田: どうなんですかね。センターに祭り上げられているの見ても、誰もファンにならないと思いますけど(笑)

―― やはり、また別の汗のかき方があるんですかね。

須田: ファンを増やすというよりは、自分としてはSKE48に還元するときかな、と。今までSKE48にいっぱい育ててもらったり、新しい自分をいっぱい与えてもらってたりしたので、それをグループに還元する番だと思います。

教えられることは教えるけど答えは自分で見つけてほしい

―― 「還元」というのは、若手メンバーを育てたりノウハウを教えたり、も含めてでしょうか。大場美奈さん(27)にもうかがいましたが、SKE48といえば長年にわたって珠理奈さんがグループの顔で、次に須田さん、大場さん...、といった具合に先輩メンバーの方が活躍する一方で、若手が目立ちにくいように感じています。特に、AKB48の楽曲でテレビに出演したりする際に、SKE48の若手メンバーが選ばれることは非常に少ないです。

須田: 入ってほしいですね。ただ、なかなか認められなかったり、SKE48の子にはまだまだ足りない部分があったりして、もっと力をつけてほしいというのは内部にいて感じることもあります。目立ったり、自分が選ばれるきっかけは自分で作れるんだよ、というのはいつもみんなに言っていますが、その方法は誰かのマネじゃ超えられないし、「自分はこのやり方でやる」という方法を見つけられて、受け身じゃない子たちがいかに増えるかにかかっていると思います。教えてもできない子、やらない子もいますし、教えて「じゃあ自分はこうしてみよう」とできる子はどんどん結果も出して、応援してくれる方が増えていると思います。教えられることは教えるけど答えは自分で見つけてほしいな、というのが私の願いです。

「選挙のない」19年が「全然違う生活」だった理由

―― 1月9日放送の「ゴゴスマ!」(CBC)で、面白いやり取りがありました。須田さんは記憶力が良くて「一度会った記者の顔と名前を必ず覚えていて、遠く離れたところでも、顔を見かけたら飛んで来て、あいさつしてくれる」という話題です。石井亮次アナは「それ、本当に政治家のやり口です。小泉さんとか田中角栄さんとか」と言っていましたね。

須田: よくないんですよ~。よくないから紙に書いて覚えてるんですよ。

―― 東国原英夫さんに「出た方がいいよ、選挙」と煽られて、須田さんは「AKB48の総選挙で精一杯です、私は」と話していました。19年は初めての「選挙がない」夏でした。活動はどう変わりましたか。

須田: 全然違う生活でした。純粋にアイドルを楽しんでいますね。前は発言の裏に「選挙の順位落ちるかも」とか心配がつきまとっていましたが、今は本当に自分のことを好きな人に愛されたらいいな、という思いで活動できています。前は「アイドル頑張るぞ」の裏に票がちらついて、「今踏ん張れば順位上がるかな」といった思いが刷り込まれたところがありました。今はそういうことを考えずに、ここまで支えてくれた人をどうやったら幸せにできるのかな...、といった具合に、アイドルを楽しむというか、人間として楽しんでいますね。

―― 昨日(1月13日)、神田明神で行われた成人式イベントの取材に行ってきましたが、HKT48の田島芽瑠さんは「また復活したらいいのかな、と正直思いますね」と話していました。須田さんとしてはいかがですか。

須田: 私は...個人的には無くていいかな、と思っちゃっています。それは多分、自分が2位になってすごくいい経験を沢山させてもらったからだけど...。個人的にはそう思いますが、グループ全体で言えばあったほうがいいのかな、って思います。

―― それは、選挙がきっかけでステップアップできるメンバーもいるからでしょうか。

須田: 選挙をきっかけに「自分はどうしてあそこに立てなかったんだろう」「どうやったら立てるんだろう」と考えるのは大事だし、私は総選挙があったからここまで来られました。握手会の列が長いのにどうしてステージの立ち位置は隅なんだろうと思っていた時に、数字で「何票で何位」という誰も動かせない結果として出ると、自分が必要だとされているという自信になりました。「私は何を頑張ったらいいんだろう」と思っている子が救われるイベントではあるので、そういう子にとっては、あったほうがいいと思います。

2020年に開催されたとしても「今までと同じ方法だったら出ないかな」

―― 仮に開催された場合、話題になるのが「誰が出馬するか」。須田さんは出馬しますか。

須田: え~。本心は出ない確率のほうが...。1人1票になるとか、投票条件次第だと出るかもしれないけど、今までと同じ方法だったら出ないかな。

―― 18年に2位にランクインしたことで「やり切った」「見られる景色は見た」、といったところですか。

須田: 今の私で、あの投票条件で見られる景色は現状見尽くしたなと思っています。条件次第ですね。

―― もうひとつ。AKB48グループで最年長の柏木由紀さん(28)は、30歳までAKB48を卒業しないことを宣言しています。柏木さんの次に年長の須田さんはどうしますか。

須田: 私より誕生日が数か月早い柏木さんが「30まで」で、私も「30まで」では、なんだかちょっとと思うので...。長くするつもりも被せるつもりもなくて、そこへの執着はないですね。今は、心と体が元気な状態で、全力を出すことしか考えなくなりました。だから今の段階で無理して「30までやります」と約束してしまうと、義務感でアイドルをするような気持ちになってしまって結構大変だと思うので、心と体が元気で心からの笑顔をファンの方に見せられる範囲でアイドルをやります!無理もしない感じかなあ。

―― それはあと1年かもしれないし5年かもしれないし...。

須田:そうですね。すごく楽しくて、ついつい続けていたら5年経っちゃう可能性もあるし、もしかしたら半年後に「やっぱりもう無理」って言い始めるかもしれないし...。自分の中ではより一層自由に、全力でアイドルをやっていく覚悟をするきっかけになった気がしますね。

卒業後は「生きていれば何でもいいんですよね」

―― いずれにしても、いつかは卒業するタイミングが来ます。卒業後はどういった形で活躍していきたいですか。

須田: どうだろうなー。生きていれば何でもいいんですよね。私は本当に「こうなりたい」という執着がなくて...、だから「こうなりたい」というよりは、やりたいことを一つずつやって生きていきたいので、辞めたらとりあえず休みを取って、バックパッカーしたいなー。芸能界で何かしたいことと言えば...、あっ、スキャンダルを起こしたい(笑)。私、本当に薄っぺらいんですよ。

―― 結婚するまでには(1)有名人(2)お金持ち(3)ファン、の3種類の人と付き合いたい、というのが持論ですよね。

須田: そうそうそうそう。だからほんと人間としてなんか本能のままに生きていけるんだったらそれでいいし...。さっきの「スキャンダルを起こしたい」願望は、やっぱりおかしいか。芸能界でどうなっていきたいかと言われたら、いまもバラエティーとか出演させていただいているけど、「NGなし」はやりたいと思ってこうなったわけじゃないし、コメンテーターになりたいと思ったこともなかったけど、今はこういう感じ(編注: 須田さんは情報番組「ドデスカ!」(メ~テレ)のコメンテーターを隔週で務めたり、「サンデー・ジャポン」(TBS)にゲスト出演したりしている)になってるから...。どれも、関わるスタッフさんとかとのご縁だけでやってきたので、ご縁次第、という感じですね。人に支えられて生きている人間なので、わらしべ長者みたいな感じですよね。出会っていく人とどんな思いを交換し合ってどこに行きつくか。

―― 須田さんはいわゆる「純金」(編注:名古屋随一のお嬢様学校、金城学院に「中→高→大」と進学した人の俗称。高校から入学すると「18金」、大学からだと「金メッキ」)でいらっしゃいます。高校在学時にSKE48のオーディションを受けたことが問題になって内部進学を断念し、一般受験で合格して進学したという経緯があります。改めて大学生を、というのはいかがですか。

須田: 大学は(SKE48合格後も)ふつうに通ってましたが、坂を登るのが苦痛でした(編注:最寄り駅から大学までは、きつい坂道がある)。レッスンの合間に坂を登ったり下りたりするのが、すごい大変で...。大学に戻るということですか?えー、考えてないです。勉強したくないなあ(笑)。でもご縁があれば何でも楽しんでやるかなあ。麻雀とかもそうですし。

―― 19年にはプロ麻雀リーグを特集した「熱闘!Mリーグ」(AbemaTV)に出演し、麻雀にも詳しくなりました。あらゆる可能性は開かれている、ということですよね。

須田: ご縁を楽しんで、これからも生きていきたいと思います。

須田亜香里さん プロフィール
すだ・あかり 1991年生まれ。愛知県出身。2009年にSKE48に 3期生として加入。チームEのメンバーで同チームのリーダーを務める。2018年の選抜総選挙では2位。


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