東京オリンピック・パラリンピックで利用される「選手村ビレッジプラザ」を大会組織委員会が2020年1月29日、メディアに公開した。
全国63自治体から借り受けたスギやヒノキといった国産木材が使用されている建物だった。
3本の柱が「右巻き」、「左巻き」に
選手村ビレッジプラザは「選手団の入村式の舞台としてメディアを通して多くの人の目に触れる選手村の代表的な施設」として、東京都中央区晴海に建設中である。
晴海といえば、東京湾に面する湾岸の潮風が香るエリアでもある。建物は、スギやヒノキといった木材で作られた建造物で、実感からすると「潮の香りと新築の匂い」がする不思議な空間だった。
特徴的だったのが、屋根を支える「柱」の構造だ。柱とは当然、天井の梁(はり)を支えている訳だが、その構造が「三つ巴」というか「三すくみ」というか...。3本の木材が螺旋状になって、屋根を支えているのだ。
確かに、体操の「3点倒立」、カメラの三脚など「3点で支える」ことは物理的に安定するとされている。広報担当者によると「レシプロカル架構」というそうで「間仕切り壁を必要としない空間に適しており、3本の柱をツイストさせたことによって耐震性を持たせています」とのことだった。
さらに注目すると、あれ? 3本の柱の螺旋が「右巻き」と「左巻き」になっているではないか。これも、柱の「巻き方」を両方向に変えることで耐震性が増すのだそうだ。
極み付きは、その「3本の柱と梁の接着面」である。広報担当者は「接着剤などは使用していません」と話す。
同施設は「オリ・パラ」大会後に解体され、木材は各自治体の公共施設等に返却されて、各地で「レガシー」として活用されるという。そういった意味では、日本の文化を世界に発信できる空間といっていいかもしれない。
(J-CASTニュース編集部 山田大介)