新型肺炎「フェイクニュース」に政府が動く 取締法施行のシンガポール、その運用の実態は

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人権団体による主張に訂正命令→反論声明も

   例えばウェブサイト「ステーツ・タイムズ・レビュー」は、同サイトが運営するフェイスブックページで、与党候補者のキリスト教への傾倒を告発した人が逮捕され「でっち上げられたフェイクニュース」による容疑をかけられている、などと主張した。シンガポール政府は19年11月28日に訂正を命令したが、サイト管理者は命令に従わないことを表明。そこで翌11月29日、今度はフェイスブックに対して訂正情報を載せるように命令し、フェイスブックはそれに従う形で訂正情報を掲載した。

   20年1月には隣国、マレーシアの人権団体「ロイヤーズ・フォー・リバティー」(LFL)によるフェイスブックの書き込みが問題になった。LFLは

「死刑執行時にロープが切れたときのために、刑務官は残酷な執行方法について訓練を受けている」

などと主張したのに対して、シンガポール政府は

「記録が残っている限りはロープが切れたことはないし、刑務官は『残酷な処刑法を実行するための特別な訓練』を受けたという事実はない」

として、LFFに加えて、ヤフーシンガポールなどLFLの主張を拡散したサイトに1月22日付で訂正を命令した。この法律では、発信者が国外にいても処罰の対象となるが、実質的に国外の人権団体からの発信を止めることは難しい。実際、LFLは同日中に反論の声明を出している。そのため、シンガポール政府は翌23日、シンガポール国内からLFLウェブサイトへのアクセスを遮断することをシンガポールの接続事業者に命令している。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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