金正恩氏の叔母、6年ぶりに表舞台に 「白頭山血統」結束をアピールか

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確執指摘されても復権させた理由

   北朝鮮では、白頭山を抗日ゲリラの拠点が設けられた「革命の聖地」と位置付けており、金日成主席の直系血族を「白頭山血統」と呼ぶ。聯合ニュースは「白頭山血統『第2世代』の金敬姫は金正恩体制の正統性を象徴する人物でもある」と指摘している。

   金正恩氏と金敬姫氏との間には確執も指摘されてきた。その一例が、韓国に亡命した北朝鮮の元駐英公使、太永浩(テ・ヨンホ)氏による手記「三階書記室の暗号 北朝鮮外交秘録」(文芸春秋)だ。それによると、

「金正日の生前、金敬姫と張成沢が(編注:金正恩氏の母親とされる)高英姫の存在を疎ましがっているといううわさが出回った。高英姫とその子どもたちが金日成に一度も顔を見せることができなかったのは、金正日が彼らを隠してきたことも理由の一つかもしれないが、金敬姫が頑として反対したからだという説もある」

などとして、高英姫氏が金敬姫氏に抱いた反感を、そのまま金正恩氏が引き継いでいると分析。さらに、金正恩氏は金日成主席と撮った写真が1枚もないことが「口惜しくてたまらなかった」とみている。「金日成と撮った写真が1枚でもあったなら、自らが『白頭山血統』であると100回叫ぶよりずっと効果的だった」からだ。

   金正恩氏と李雪主氏の夫妻は19年12月に白頭山を訪れたばかり。金正恩氏としては、確執が指摘されている金敬姫氏を復権させることで、自らが「白頭山血統」の一員であることを誇示し、一族の結束をアピールする狙いがあるとみられる。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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