「文春オンライン」の報道に端を発した、俳優の東出昌大さん(31)と女優の唐田えりかさん(22)の不倫問題。報道から4日たった今も、ネット上は2人を糾弾する声がこだまし続けている。
あるツイッターアカウントは「東出昌大大好きだったけど杏ちゃんにしたことを思ったらもう...ね...」と、東出さんの妻である杏さん(33)を思いやる。別のアカウントは「唐田えりかホントに無理だ。生理的に」と、唐田さんを非難している。倫理に反する行為が判明した上にそれが有名人の行為とあれば人々からの罵詈雑言が寄せられるのは無理もないことだ。
「こういう時、容姿批判出るのはまじで意味わかんない」
だが、それを差し引いたとしても、特に、唐田さんへの糾弾の声は辛辣なものが多い。特に目立つのは、「杏は妊娠中どれほど大変だったか辛かったか。でも大人だから波風立てないよう涙を堪えて我慢したんだよ。お前は悪魔だ」「子供たちからお父さん奪っといてなにがそんなに楽しかったのかなやってること悪魔すぎたろ...」と、唐田さんに対し、もはや人間ではないと批判する声だ。
これに加え、不倫とは関係ない要素である唐田さんの容姿を批判する声すら出始めている。このため、ネット上には、
「仮に正論だったとしても、寄ってたかって唐田えりかの事叩いてる奴等も充分にキモい」
「こういう時、容姿批判出るのはまじで意味わかんない」
と、唐田さんへの批判の声が過熱していると憂慮する声もある。
矢口、ベッキー、上原多香子...
似たような状況は、2016年1月に発覚した、ロックバンド「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音さんとタレントのベッキーさんの不倫問題の時も見られた。この時も、最初こそ両名は批判の矢面に立たされていたが、徐々に矛先はベッキーさんに絞られ、その後、ベッキーさんは芸能活動の自粛を余儀なくされたが、一方の川谷さんは同年3月には「ゲスの極み乙女。」のコンサートを日本武道館で行うなど、仕事は絶好調。このため、ネット上では「焼け太りではないか?」とする声まで上がるなどした。
このほか、不倫がきっかけで激しいバッシングを受けた女性芸能人としては近年では矢口真里さんや上原多香子さんがいるが、2人は自身が既婚者であり、不倫問題では「主犯」と言える存在だ。一方で、唐田さんや16年当時のベッキーさんは既婚者ではないにもかかわらず、この叩かれようだ。ややヒートアップしすぎにも見えるネット世論だが、経営コンサルタントで心理学博士の鈴木丈織氏は、不倫問題で女性がより激しいバッシングを受けてしまう理由について以下のように説明する。
不倫をする者、それを叩く者の双方に現れる「男女差」
まず、不倫問題については女性への批判がより大きくなりがちであることについて、鈴木氏は以下のように説明する。
「男性は性に関して特定の相手だけに絞るのが女性よりも難しい傾向があり、ルールから逸脱した場合は同情される側面があります。一方の女性は男性よりはブレーキをかけることができる傾向があるがゆえに、そこから逸脱した場合は男性よりも激しくバッシングされる傾向にあると言って良いでしょう」
また、加えて鈴木氏は「叩く側」にも男女差が見て取れ、しかも、女性が女性を叩く構図があると指摘する。
「世の中の人々は日々、社会規範に従って生きています。社会規範は人間の本能的欲求に反するものが少なからずありますが、それでも、人々は皆、社会規範に従って生きています。前述の通り、女性は男性よりもブレーキをかけることができる存在ですから、男女別に見た場合、一般女性たちの方が、より社会規範に従って生きているわけですが、そうなると、ルール違反に対する一般女性たちの態度は、一般男性よりもより厳しいものになります。そんな状況で、有名人の不倫ニュースが流れたとしたら......一般女性が女性芸能人を激しく攻撃してしまうのは、人道的な観点からはさておき、当然の結果と言わざるを得ないでしょう」
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)