2月の春季キャンプが近づいてきた。
ロッテ・佐々木朗希、ヤクルト・奥川恭伸ら黄金ルーキーに注目が集まる中、虎視眈々と1軍定着を狙っているのが中日・根尾昂とロッテ・藤原恭大だ。
注目株の根尾、藤原だが...まずは2軍で力を
大阪桐蔭で18年春夏連覇に大きく貢献し、ドラフト1位で鳴り物入りした2人だったが、プロの世界は厳しかった。根尾はルーキーイヤーの昨年、1軍出場は2試合のみで2打席2三振。藤原は球団の高卒新人では54年ぶり史上3度目となる開幕先発出場を果たしたが、4月上旬以降はファームで過ごした。1軍は6試合出場で打率.105。プロの投手の球筋、木製バットの対応に苦労した。
根尾は本職の遊撃だけでなく外野も守るなど起用法の選択肢を広げている。ただ、外野も大島洋平、平田良介、アルモンテ、福田永将と実力者がズラリ。外野でのキャリアが浅く、1軍での経験値、打力もまだまだ及ばない根尾がレギュラーをつかみ取るのは容易ではない。2軍で結果を残してからステップアップを狙うのが現実的だろう。
藤原も焦る必要はない。外野を見渡すと、ソフトバンクから福田秀平がFAで加入し、荻野貴司、マーティン、角中勝也とレギュラー争いが激しい。1軍で代走など途中出場するタイプの選手ではない。じっくり腰を据えてファームで力をつけた方が良いだろう。
では、2年目の大ブレークが期待されるのは誰か。
中日・梅津、ソフトバンク・杉山に注目を
選手間で評価が高いのが中日の梅津晃大だ。身長187センチの上背から投げ下ろす150キロ台の直球、スライダー、フォークを決め球に昨季は4勝1敗、防御率2.34.長身で手足が長いシルエット、投球フォームがエンゼルス・大谷翔平と重なる右腕は今季先発ローテーションの中心として期待される。
また、18年ドラフト2位のソフトバンク・杉山一樹も面白い存在だ。最速153キロの直球とキレ味鋭いスライダーが武器。即戦力として期待された昨季は故障に泣かされて2試合の登板に終わったが、球界を代表する同僚の千賀滉大が認める身体能力で大ブレークの可能性を秘めている。
昨季の新人王はセパ共に2年目のヤクルト・村上宗隆とソフトバンク・高橋礼が獲得した。梅津は昨季に30イニング以上を投げたため新人王資格を失ったが、杉山と共に更なる飛躍が期待される。