アイドル「脱退」「卒業」の20年史 いかに表現が変わっていったか

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本人意志で「脱退」とする例も

   2010年代以降のアイドルグループのケースでも、穏健にグループを離れる場合は「卒業」と伝えられるのが大半だが、急遽のグループ離脱には「脱退」「契約解除」「活動辞退」と発表される。原則「卒業」と発表してきた乃木坂46やAKB48系列であっても、「契約終了」「活動辞退」と発表される場合は、スキャンダルや体調などの特殊な事情が影響している場合がほとんど。こうした習慣から「卒業」と発表されない場合にネガティブな印象がついてまわるようになった。

   だが、本人の意志であえて「脱退」と発表する例もある。2011年にももいろクローバー(現:ももいろクローバーZ)を脱退した早見あかりさんは、「ももクロでやりたかったことを成し遂げられていないから、あえて脱退と伝えた」という旨を2019年に出演した番組で告白した。2018年に同グループを離れた有安杏果さんの場合は「卒業」と発表されているので、早見さんの意志によることが見てとれる。

   でんぱ組.inc元メンバーの最上もがさんは平手さんの脱退を受けて、20年1月23日にツイッターで

「卒業と脱退の違いの話で、ぼくは"脱退"、ねむ(註:元メンバーの夢眠ねむさん)は"卒業"したけれど、続けたくても身体的にも精神的にも限界だったために、抜けざるを得ないという選択を自らしたので、どうしても卒業という表現ができなかった。ねむはちゃんと今後のことを見据えて決めていた、の違いかなって」

と自身の状況を振り返って見解をつづった。

   もともと欅坂46はメンバー卒業のための特別なイベントは行ってこなかった上、同時にグループを離れる鈴本さん・織田さんと平手さんの間に「卒業」「脱退」以外に大きな差異はない。今回「脱退」と記されたのは平手さんの固い意志も反映されているとみられるが、欅坂46の象徴的存在で知名度・人気とも高かった平手さんだけがあえて「脱退」と発表された衝撃が、さまざまな憶測を呼んだようだ。

(J-CASTニュース編集部 大宮高史)

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