仮想通貨「ネム」意外な領域で活用 電力、医療...その理由は?

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カタパルトで処理性能、新技術実装も...

   医療とITを融合した事業に活用する企業もある。

 

   薬局コンサルトなどを手掛けるヘルスケアゲート(神奈川・横浜)は2019年11月、テックビューロホールディングス(東京・千代田)と連携し、ネムブロックチェーンのプライベートチェーン版(編注:特定の管理者が存在する中央集権型ブロックチェーン)である「mijin」を活用したオンライン医療ソリューション「楽医」開発プロジェクトの開始を発表した。

   両社は、楽医の第1弾として、患者が病院での受診から薬の受け取りまでの流れをタブレット端末などでサポートするサービスを構築中。ブロックチェーンの特性を生かし、処方箋の発行日時や内容、医師の証明のほか、薬歴管理や残薬確認などがオンライン上で一括してできる電子処方箋の具現化を目指している。ヘルスケアゲートの担当者は、ブロックチェーン活用の利点として「医療行為に信用をもたらすと同時に、責任の所在を明らかにすることができる」と強調する。

   2020年2~3月の間に予定するアップデート「カタパルト」によって、次世代ブロックチェーン「シンボル」が誕生するネム。シンボルでは、処理性能の向上のほか、複数の取引を一回で完結するアグリゲートトランザクション、取引所など第三者の介入がなく、異なるブロックチェーン間でのトークンの交換ができるクロスチェーンスワップといった新技術を実装される予定で、ネムブロックチェーンのビジネス、決済領域への転用が進展するとの声がある。

   ただ、ブロックチェーンはただでさえ、悪意あるデータの追加を防ぐインセンティブ設計が難しく、莫大なメンテナンスコストを要する。アップデートが逆に、そうしたブロックチェーンの脆弱性を高めるリスクがある。開発企業は、自社のみならず、ユーザーの投資対効果を担保するためにも、システム不備への対応やセキュリティ対策に十分な注意を払う必要がありそうだ。

(ライター 小村海)

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