旧暦の大晦日にあたる2020年1月24日夜、東京タワー(東京都港区)が中国の旧正月(春節)を祝う赤色にライトアップされた。春節にともなうライトアップは19年に続いて2回目で、19年11月に改装された東京タワーのライト「インフィニティ・ダイヤモンドヴェール」が使用された。
安倍晋三首相が「日中関係は完全に正常な軌道に戻った」とした19年に続いて、20年春には習近平国家主席が国賓として来日予定。来賓として招かれた公明党の山口那津男代表は「この点灯式を晴れやかに祝って、これからの日本と中国の新しい時代を、ともに作っていこうではありませんか」などと呼びかけた。
公明党・山口代表、春節で訪日する人を「お迎えする道案内の光に」
日中関係をめぐっては、安倍氏は1月20日の施政方針演説で、
「地域と世界の平和と繁栄に、共に大きな責任を有している。その責任をしっかり果たすとの意志を明確に示していくことが、今現在のアジアの状況において国際社会から強く求められている」
と言及。1月24日の参院本会議でも、安倍氏は山口氏の答弁に答える形で
「その責任をしっかり果たすとの意思を内外に明確に示す機会にしたい」
などと習氏の来日を歓迎する意向を改めて示していた。山口氏は安倍氏の国会答弁について
「安倍総理からも力強い、日中の協力と、国家主席をお迎えする歓迎の言葉が示された」
とする一方で、ライトアップの意義を
「今、日本で暮らすみなさんが中国の家族の人々に春節のお祝いの気持ちを送り届ける光になる。春節で大勢の人が日本にいらっしゃる。そういう皆さんを日本の人々が『ようこそいらっしゃいました』とお迎えする道案内の光にもなる」
などと強調した。中国湖北省武漢市を中心に発生している新型コロナウイルスによる肺炎の問題では、春節による大移動で感染が拡大する可能性も指摘されている。この点について特段の言及はなかった。
18時30分過ぎに中国の孔鉉佑・駐日大使、山口氏らが点灯スイッチを操作すると、17段の階層に設置された268台のLEDライトがタワーを赤色に染め、新年を祝う白い風船が空に放たれた。ライトアップは1月25日の早朝6時まで行われる。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)