ヘビー級王者らはユーチューバーを支持
一方、興行面でいえばユーチューバー決戦は大成功だった。この試合は動画配信サービス「DAZN(ダゾーン)」が中継し、英国ではスポーツ専門チャネルがペイ・パー・ビュー(PPV)で試合を中継。人気ユーチューバーの試合とあって、若い世代から注目が集まったようで、どちらもボクシングの試合中継のなかでトップクラスの数字を出した。リングサイドには有名人が顔を揃え、カナダの人気歌手ジャスティン・ビーバーさんがポールの控室を訪れる動画がアップされ大きな話題となった。
デラホーヤ氏のように苦言を呈する関係者がいる一方で、現役選手からはユーチューバーのボクシング進出を支持する声が多く上がっている。海外メディアは、ヘビー級の3団体統一王者アンソニー・ジョシュア(英国)、WBC世界ヘビー級王者デオンテイ・ワイルダー(米国)をはじめとするヘビー級トップ選手らの支持の声を伝えている。新たなファン獲得の手段として効果的というのが主な理由で、ボクシング界は変わるべきという意見も。
20年1月30日に米マイアミで3大世界戦が予定されており、このアンダーカードにユーチューバーによる試合が組み込まれている。ポールの実弟ジェイク・ポールと英国人のギブがライトヘビー級6回戦を行う。両者のユーチューブチャンネルで記者会見の模様などの動画がアップされ、注目度は増している。エンターテイメント色が強いユーチューバー対決はボクシング界に必要なのか、それとも不必要か。論争は続きそうだ。