去年3月から一時は倍以上に
人件費や材料費、物流費がかさむ中にあって、調剤部門の伸張に加え、プライベートブランド(PB)商品の積極展開も利益を押し上げている。PB商品は一般メーカーによるナショナルブランドより利益率が高いだけに売れば売るほど利益が出る。消費税増税などによって財布を締めがちな客もナショナルブランドより若干価格が安いPBを選ぶ傾向にあるという。マツモトキヨシHDとココカラファインが2019年8月に経営統合の協議に入るなど、再編による成長を探る動きも進んでいる。
こうした中で投資家の間にはウエルシアHDに対する成長期待が強く、2019年3月25日の昨年来安値(3565円)から年末終値(6950円)への上昇率はほぼ2倍となった。年明け1月7日には上場来高値の7260円をつけたところだった。そこまで期待が高まっていただけに、最高益であっても業績予想の上方修正がないことに株式市場は失望したわけだ。高値警戒感からいったん利益を確定しようとする売りもあったとみられる。
とはいえ、調剤部門がさらに伸びると見られており、数ある上場企業の中でも成長を期待できる企業の一つには違いない。野村証券は1月7日付のリポートで2019年3~11月期連結決算で「収益性良化を確認」とし、「自動発注システムの導入により一段のコスト圧縮効果が期待できる」と指摘した。
その後は上下を繰り返しつつも、22日時点では6700円台まで戻している。通期決算の内容が明らかになる段階には株価がさらに上昇する可能性もありそうだ。