2020年1月20日に召集された通常国会では、統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件、自民党の河井案里参院議員(広島選挙区)と夫で前法相の克行衆院議員(広島3区)の事務所が公選法違反の疑いで家宅捜索を受けた問題、首相主催の「桜を見る会」の問題など、問題山積だ。
そんな中でも、召集を前に行われた報道各社の世論調査によると、その多くで内閣支持率は横ばいだ。ただ、野党の政党支持率には動きが出ている。立憲民主党の支持率が下落しているのに対して、国民民主党の支持率は微増。合流に向けた動きが停滞する中、両党の数字は対照的な動きを見せている。
立憲はいずれも支持率ダウン
1月11~12日の週末には、共同通信、時事通信、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の3つの世論調査が行われた。時事、産経・FNNの調査では内閣支持率、自民党の支持率ともに、ほぼ横ばいだったのに対して、共同の調査では内閣支持率が19年12月の前回調査比6.6ポイント増の49.3%。自民党の支持率も7.2ポイント増の43.2%だった。共同通信の配信記事では、「野党合流協議の難航などが背景にあるとみられる」と分析している。
合流協議の当事者で明暗が分かれた。共同の調査では、立憲民主党は3.9ポイント減の6.9%だったのに対し、国民は0.1ポイント増の1.6%だった。時事調査では立憲が3.8%から3.3%に下落、国民は0.6%から0.9%に上昇。産経・FNN調査でも、立憲が8.9%から5.9%に支持を落としたのに対して、国民は0.8%から1.3%に支持が増えた。
事実上の吸収合併を求める内容の合流協議を急ぐ立憲側の姿勢に、世論が反発した可能性もありそうだ。
毎日新聞調査では1%→2%に!
翌週末の1月18~19日に行われた調査でも、似たような結果が出ている。テレビ朝日の調査では、立憲が1.6ポイント減の8.2%。国民が0.7ポイント増の2.0%。毎日新聞の調査では、立憲が横ばいの8%で、国民が1%から2%に増えた。
両党の間には依然として支持率には大きく差があり、小選挙区で落選し比例復活した国民の衆院議員の間には危機感は強い。合流を求める議員の多くが、こういった「比例復活組」だ。早期に立憲と合流し、比例名簿の上位登載を目指しているとみられる。
1月20日に開かれた国民の両院議員総会では、合流派の議員が、立憲と「合意について基本合意を行う」ことを求める決議案を議題として扱うように求めたが、多数決の結果「賛成19人、反対28人」で採決には至らなかった。総会で決めたのは、立憲側が協議打ち切りを示唆していることを念頭に、協議継続を立憲側に求める方針だった。こういった「決められない」状態が、どう支持率に影響するかは未知数だ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)