「フラッシュ使用を含め、水族館の指導に従った」
飼育員によると、ラブカの報道発表時には、朝日を含めマスコミ数社がフラッシュ撮影をしていた。水族館では、記録を残すことを優先に考えて、フラッシュ撮影を止めなかったそうだ。
ネット上で騒ぎになったことから、朝日から水族館に「うちがご迷惑をかけたのでは?」と問い合わせがあったという。一方、飼育員は、ラブカはフラッシュ撮影ですぐに死ぬほど敏感ではないとして、その影響に否定的な見方をしている。
ただ、一部の展示でフラッシュ撮影を禁じており、今回のラブカについても、一般公開では、「フラッシュ撮影はご遠慮下さい」との内容の掲示を出していた。このことについて、「元々フラッシュ禁止の場所ではありませんでしたが、念のために禁止にしました」と説明している。
水族館では、ラブカについて、「残念ながら長くはもたないと思います」と公式ツイッターで明かしていたが、このことについても「何故展示した?」「深海に帰して」と批判が寄せられている。
これに対し、飼育員は、「同じ水深に戻せれば話は別ですが、海に返しても長く生きるのは無理だと思います。研究目的があり、一般の人に見てもらうのも意義があるはずです」と説明した。ラブカの標本は、和歌山県立自然博物館に寄贈する予定だ。
朝日新聞の広報部は1月21日、フラッシュ撮影したことについて、取材にこうコメントした。
「ラブカの取材は、水族館の館長を含む専門家の指導・指示のもと、報道各社が行いました。弊社が取材した際も、フラッシュの使用など撮影方法を含め、水族館の指導に従いました」
写真を差し替えたことについては、ラブカが体半分しか映っていなかったことから、「順番を入れ替えて、メインの写真をラブカの体全体に写っているものに変更しました」とした。フラッシュ撮影との直接的な関係は認めず、ネット上の批判については、「コメントは差し控えさせていただきます」としている。
ただ、「朝日新聞デジタルに掲載後、読者から問い合わせがありましたので、水族館に改めて、取材時に撮影を認めた理由や経緯などについて、電話で確認しました」と説明した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)