「息子が有名大学のラグビー部に入れた」喜んでいた親御さんは...
繰り返しになるが「1人がやってしまった愚行は、全員の責任」となってしまう。日々、必死にトレーニングを積み、体を張り、日本一を目指してきた周囲の選手を慮ると、言葉が出ない。まして、今春から日大でプレーをすることを楽しみにしていた高校ラガーマンたちは今、何を思うのか...。
大学ラグビー界においては、過去にも同様の事件があった。2007年、当時は飛ぶ鳥を落とす勢いだった関東学院大で、複数の部員が寮で大麻を栽培していたことが発覚。当該部員らは逮捕され、以降、強豪に上り詰めていた同大ラグビー部はリーグ優勝から遠ざかっている。
筆者は、当時の大学ラグビー関係者にも取材をしたことがある。高校ラガーマンたちの親御さんは「息子が有名大学のラグビー部に入れた」と喜んでいたが一転、「そんな大学なら入れさせない」と憤った。ご両親としては、当然の心情だろう。
当時の関東学院大関係者は、入学が決まっていた高校生たちの新たな「受け皿」大学を探すべく奔走した結果、より多くの高校生たちを受け入れてくれたのが帝京大だった。ここから、帝京大が前人未到の大学選手権9連覇を成し遂げた。何とも、皮肉な話である。
2028年に迫った日大ラグビー部創部100周年、またその入部に向け、期待に胸を膨らませながら日々の鍛錬を重ねてきた高校ラガーマンたちの心情を考えると、やるせなく、悲しく、涙が出てしまう。
(J-CASTニュース編集部 山田大介)