巨人は2020年1月20日、都内でスタッフ会議を行い、今シーズンの方針などを話し合った。
スポーツ紙などの報道によると、原辰徳監督(61)は、岡本和真内野手(23)のポジションについて三塁で固定する方針を示し、シーズンを通しての「4番・三塁」に期待を寄せたという。
期待される生え抜きのスター選手
岡本が三塁に固定されることで空くのが一塁のポジションだ。現時点で原監督は外国人選手の補強は考えておらず、まずは日本人選手でレギュラー争いをさせる意向を示した。指揮官は、北村拓己(24)、山下航汰(19)ら若手の名を挙げつつ、ベテラン中島宏之(37)もレギュラー候補のひとりとして挙げた。
原監督の構想は、昨シーズン捕手と一塁で出場していた大城卓三(26)を今シーズンは捕手としてスタートさせるというもの。捕手は昨シーズン同様に、小林誠司(30)、炭谷銀仁朗(32)、大城の3人でレギュラー争いが展開される見込みで、一塁のレギュラー争いの展開によっては大城が一塁にコンバートされる可能性もある。
昨シーズンは5年ぶりにリーグ制覇を果たしたものの、日本シリーズではソフトバンクに4連敗と課題を残したシーズンだった。投手力強化、外国人選手の補強とともに若手の育成も巨人が抱える課題のひとつ。坂本勇人(31)、岡本に続く生え抜きのスター選手の出現が望まれ、北村、山下に大きな期待がかかる。
一方で「3人が早い段階で結果を出さなければ...」
プロ20年目にして若手とレギュラー争いを強いられる中島は崖っぷちにいる。昨年12月に行われた契約更改では、年俸1億5000万円から野球協約が定める減額制限(1億円以上は40%)を大幅に超える1億3000万円ダウンの2000万円でサイン。今シーズン、結果を残せなければ野球人生の危機を迎えることになるだろう。
一塁のレギュラー争いについて在京メディアの関係者は「原監督流のメッセージだと思います。若手2人にはベテランと競い合わせることで緊張感を。中島には若手との争いで負ければもう後がないということ。理想でいえば北村がレギュラーの座をつかみ、山下がこれに続く存在になればというところでしょう。ただ、原監督はシビアですから3人が早い段階で結果を出さなければ外国人選手を補強すると思います」と話した。
原監督は昨年、「チームを前進させるのが役割」とし、チーム内に競争心を植え付けた。正捕手争いでは、炭谷、小林、大城に加え、指揮官自ら阿部を「指名」。阿部を捕手に専念させる意向を示し、緊張感を与えた。一方で若林晃弘(26)、山本泰寛(26)、増田大輝(26)ら若手の台頭が見られたものの、レギュラー定着とまでいかなかった。今年は「厳しさ」をもって日本一を目指す原巨人。一塁のレギュラーを勝ち取るのは...。