公職選挙違反の疑惑を受けて辞任した元2大臣を含む3人の国会議員が、2カ月半~3カ月ぶりに公の場に姿をみせ、記者団の取材に応じた。しかし、3議員とも「捜査に支障をきたしてはならないので」などと言及し、現時点での説明を避けた。
こうした姿勢に対し、ツイッターでは国会議員としての説明責任を果たすべきだとする声が相次いだ。また、コメンテーターとしてテレビ出演した元検事らからは「(説明しても)捜査に支障は出ない」といった指摘が出ている。
「弁護士からも言われていることから...」
「(略)菅原前経産相『捜査に支障』 疑惑説明せず議員辞職否定」(東京新聞ウェブ版)――菅原一秀・前経済産業相が、通常国会が召集された初日の2020年1月20日に約3カ月ぶりに国会に登院した。辞任後初めて公の場で記者らの取材に対応した様子を伝える記事には、こんな見出しも躍った。
菅原氏には、公設秘書が選挙区内であった通夜で香典を渡したことに公選法違反の疑いが指摘されている。菅原氏は20日、「当局の捜査に支障が出ないようにした上で、説明責任を果たしたい」と述べたが、香典問題については「手違いだった」と触れたものの、それ以上の説明は避けた。また、3年の公訴時効を過ぎて法的には違反を問われることがない、「メロンやカニ」などの選挙区内寄付行為の疑惑についても、説明しなかった。
また、河井克行・前法相も20日、国会内で取材に答えたが、やはり「(略)『捜査に支障』 疑惑に発言せず」(産経ニュース)と、菅原氏同様の理由を挙げて説明を避けた。テレビカメラを前に「捜査に支障をきたす、影響を与えるようなことは厳に慎むようにと弁護士からも言われていることから、私の所感・考えは控えたい」と述べた。
前法相と妻の河井案里・参院議員(自民党)の双方の地元(広島)事務所は、15日に広島地検による家宅捜索(公選法違反容疑)を受け、同日夜、2人は別々に取材対応を行った。公の場へ姿を見せたのは、約2カ月半ぶりだった。この際も前法相は「(略)『捜査中』理由に詳細語らず」(毎日新聞ウェブ版、16日)と、同様の姿勢を示していた。
案里議員も15日に続き20日の登院の際、記者団に「捜査に影響が及ばないことがいちばん」と、現段階では説明を避ける考えを示した。