ようやく認可の「NHK同時配信」 その紆余曲折とサービス内容を復習しよう

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   NHKが2020年4月から、インターネットでの常時同時配信サービス「NHKプラス」を開始する。

   NHKは19年度中の配信開始に向けて、準備を進めてきた。しかし、総務省からは主に費用面からの「宿題」が出され、調整が難航。最終的に一部条件付きで認可された。

  • NHKが常時同時配信を始める
    NHKが常時同時配信を始める
  • NHKが常時同時配信を始める

総務省から突き付けられた「宿題」

   これまでの流れを整理しよう。NHKのネット同時配信は、19年5月の放送法改正によって解禁された。それを受けてNHKは10月、総務省に「インターネット活用業務実施基準(案)」を申請した。しかし総務省は、11月に「基本的考え方」を公表し、いったん差し戻した。

   NHKは、みずから作成したインターネット実施基準の中で、ネット関連事業の費用上限を受信料収入の2.5%に定めていた。しかしNHK案では「国内・国際インターネット活用業務」は2.5%(オリンピック・パラリンピック関連を除く)の範囲内ながら、別枠扱いの関連費用を含めると約3.8%相当にのぼっていた。

   NHKは12月8日、「基本的考え方」に対する回答を提出。総務省は同23日、この回答と国民から寄せられた意見を踏まえ、改めて「考え方」を公表した。これを受けてNHKは修正申請を行い、総務省が20年1月14日に「条件付き」で認可。最終的に、20年度のネット活用業務は、受信料収入の2.4%(170.3億円)に抑えられた。

   条件とされたのは、インターネット活用業務の費用を抑制する仕組みについて、20年度中に結論を出し、早期に導入することや、他の放送事業者との連携・協調について、要望に応じて協議の場を設けることなど。NHKの経営改革を進めるとともに、「民業圧迫」との指摘にも配慮した形だ。

サービス利用の条件は...

   1月15日の発表によると、「NHKプラス」開始に先駆けて、3月1日から試験配信を行う。この期間では、7時~24時までの1日17時間程度、常時同時配信される。正式スタートの4月1日からは、1時間早い6時からの1日18時間程度、総合テレビとEテレを配信する予定だ。

   また「見逃し配信」も設け、原則として放送後7日間、24時間利用できるようにする。いずれもパソコン、モバイルのいずれでも視聴でき、契約ごとにIDを付与し、1つのIDで同時に5画面まで視聴可能となる。

   放送を「補完」する性質上、NHKと受信契約を結んでいることが前提となる。そのため、契約者と生計を同一にしていれば、追加の費用負担は必要ない。NHKプラスの利用登録と受信契約を照合することで、サービスが利用できるようになり、契約を確認できなかった場合には「情報提供を求めるメッセージ」を画面上に表示するという。なお、有料の「NHKオンデマンド」は継続する。

   サービス開始から半年を待たず、東京五輪・パラリンピックが開催される。NHKはオリパラ関連でも、インターネットを活用する予定だ。手元のスマホから、日本代表の雄姿を応援したい人々には、朗報といえるだろう。

(J-CASTニュース編集部 城戸譲)

姉妹サイト