プーチンの狙いは本当に「院政」なのか 識者が読むいくつかの可能性

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   以上のような「変更」案の背後にあるプーチン氏の思惑については、「院政」(日経)、「実権維持にらんだ布石か」(読売オンライン版、16日)といった報道が目立つ。小泉氏の見方はどうか。

「『院政』という言葉でイメージされるほど強い実権を全ての分野で維持しようとしているのか、それとも、例えば安全保障分野の長として睨みを利かすといった形を考えているのか、そこはまだ、はっきりとは見えてこない」

   つまり、現在のような強い権力を握り続けるつもりである可能性もあるが、後継者が育つ状況を見ながら自身が安全に身を引くための段階的な措置を取ろうとしているかもしれず、今後の見極めが必要だというわけだ。

   それでは、今回の内閣総辞職はどう見るか。2024年以降を見据えた動きとしては早すぎないか。小泉氏は2つの可能性を指摘した。

   1つ目は、憲法改正をして「2024年以降」に備えるためには3~4年が必要とプーチン氏が判断し、また首相には、実務的な能力に疑問符がつくメドベージェフ氏よりも実務家が望ましいと考えた、というもの。

   2つ目に考えられるのは、プーチン氏が後継を育てるために2024年を待たずに大統領職を引くことだ。プーチン氏の健康問題が関係している可能性も排除はできない。

   また、メドベージェフ氏については、昨今の支持率低下などを受け「更迭された可能性」(ザ・ウォールストリート・ジャーナル日本語ウェブ版、16日)を指摘する向きもあるが、小泉氏は、「後継」としての目はまだ消えていないと見ている。

   ロシア国内では経済低迷や年金改革への不満から政府への反発も強まっている。プーチン氏の思惑がどうあれ、希望通り事が進むかどうかは未知数だ。

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