プーチンの狙いは本当に「院政」なのか 識者が読むいくつかの可能性

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24年以降は「大統領」就かないが...影響力は保持?

   プーチン氏が2000年に就任して以降の大統領は、氏が08年まで2期(当時の1期は4年)、08年からの1期(12年まで)は今回総辞職を発表したメドベージェフ氏が務めた(この間、プーチン氏は首相として実権を握る)。12年からプーチン氏が再登板し(1期は6年に)、18年から連続2期目(通算4期目)に突入、その任期は24年に切れる。従来規定のままなら、また後任大統領をはさんだ後で、早ければ30年にプーチン氏が返り咲くことができるが、「通算2期まで」と規定が変わればその可能性は消える。

   今回の内閣総辞職とプーチン演説の狙いはどこにあるのか。J-CASTニュースが1月17日、ロシア関係の多くの著書がある東京大学先端科学技術研究センターの小泉悠・特任助教(ロシア安全保障政策など)に話を聞いた。小泉氏は2019年、著書『「帝国」ロシアの地政学――「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(東京堂出版)で、第41回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)を受賞している。

   小泉氏によると、今回のプーチン演説の最大のポイントは、大統領任期に関する変更意向をはっきり言ったことで、任期切れの2024年以降は大統領職に就かない姿勢を示した、と考えてよい。

   2点目の大統領権限を弱める(組閣の際の下院権限強化)件では、24年に大統領職を引いた以降も政治的影響力を自身に残す意図が見受けられる。

   さらにもう1点、気になる論点としては、ロシアで高官になる条件に「25年以上連続でロシア国内に住んでいること」などを挙げたことで、これは海外留学組で西欧に近い考えのリベラル派の政治的ライバルを排除したい考えを示したものとみられる。

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