プーチンの狙いは本当に「院政」なのか 識者が読むいくつかの可能性

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   ロシアでメドベージェフ首相(54)が内閣総辞職を突然発表した。プーチン大統領(67)が演説で、大統領の任期規定変更を含む憲法改正案を打ち出した直後のことだ。日本や欧米のメディアでは、プーチン氏による2024年の大統領退任後を見据えた「『プーチン院政』への始動」(日本経済新聞)といった見方が広がっている。

   今回のプーチン演説と内閣総辞職の背後にあるプーチン氏の思惑とは何か。ロシアの情勢や安全保障政策に詳しい専門家に話を聞いた。

  • プーチン大統領の狙いとは(画像は政府インターネットテレビ、2016年12月の安倍晋三首相との共同記者会見の様子より)
    プーチン大統領の狙いとは(画像は政府インターネットテレビ、2016年12月の安倍晋三首相との共同記者会見の様子より)
  • プーチン大統領の狙いとは(画像は政府インターネットテレビ、2016年12月の安倍晋三首相との共同記者会見の様子より)

「院政」予測も

   プーチン大統領は2020年1月15日(現地時間)、年次教書演説の中で大統領任期規定の変更などを盛り込んだ憲法改正を行うべきだ、との考えを示した。メドベージェフ首相はその後、内閣総辞職を発表。時事通信などによると、メドベージェフ氏は理由について、「(改憲に向けて)大統領がすべての必要な決定を下せるようにしなければならない」と説明した。

   後任首相についてプーチン氏は、ミシュスチン連邦税務局長官を提案した(翌日、下院で承認)。また、メドベージェフ氏を安全保障会議の副議長とする考えも示した。

   こうした動きを報じたメディアでは、

「(略)権力維持に布石か」(CNN日本語ウェブ版、16日)
「ロシア、24年の『プーチン院政』へ始動(略)」(日経電子版、16日)

といった見立てを披露する記事が相次いだ。憲法改正の内容では、大統領権力を弱める(組閣の際の下院権限を強化する)狙いは、自身の後任大統領に権力が集中しないようにして、退任後の自身の実権を確保することにある、との解説も多く見受けられた。

   また、プーチン氏は大統領任期について2019年12月、現行憲法で「連続2期」までと規定している点について、「連続」を削除してもよいとの考えを示していて、今回の演説でも言及した。「連続」を削除すれば、通算2期までとなり、現在通算4期目のプーチン氏は、24年の任期満了以降は再登板ができなくなる。

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