「同居する家族や席が近い同僚のイメージ」
濃厚接触の定義について、厚労省の結核感染症課は1月16日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。
「明確な定義はありませんが、衣食住をともにする家族とか、仕事で席が近い同僚とかと長くいるというイメージだと考えて下さい。性的なものも含まれていますが、今回は、確認できていません」
濃厚接触でない場合の感染については、否定的な見方をした。
「中国で発症が確認されて数週間経っても、感染者が増えていませんので、持続的な感染の可能性は非常に低いと考えています」
インフルエンザなら、周囲に次々に感染して学級閉鎖のような事態が起こるが、新型肺炎はこのように感染者が持続的に増える証拠は確認できていないという。
死亡率を考えても、過去に多数の死者が出た重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)が3、4割だったのに比べ、今回の新型肺炎は2%ほどと低いとしている。
ただ、新型肺炎がなぜ限定的な感染なのかは分かっていないとし、「持続的な感染の証拠がないだけで、断言したわけではありません。正直分からないことも多く、まだ持続的な感染の可能性も残っています」とは認めた。
前出の男性が乗った旅客機については、乗客全員を調べることは考えていないという。座席付近の人や男性の家族もまだ調べていないとし、「『濃厚接触』と考える人を把握するための調査をしています」と話した。
男性は解熱剤を飲んでいたため検査場のサーモグラフィーが感知しなかったと報じられているが、空港での検疫体制を現状では変えることは考えておらず、これまでの取り組みを引き続き進めていくとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)