古文参考書『ゴロゴ』、著者逮捕も販売継続へ 出版社が声明「学生に不利益をもたらしかねない」

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   妊娠した不倫相手の女性を脅し、中絶を迫ったとして、予備校大手「東進ハイスクール」の板野博行講師が2020年1月8日、強要未遂容疑で逮捕された。各メディアが14日報じた。

   同氏は現代文と古文を教える"カリスマ講師"で知られ、特に古文単語参考書「ゴロゴ」シリーズは、多くの受験生から支持を集めている。

  • 古文単語ゴロゴ(Amazonより)
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すでに釈放されている

   朝日新聞の1月14日付記事(ウェブ版)によると、板野氏は19年12月に、交際相手で30歳代の女性に対し、「どうしても子を産むなら、わいせつな動画をインターネット上に拡散させる」などと言って、中絶手術を受けさせようとした疑いが持たれている。

   女性は手術を受けず、警視庁に被害を相談。板野氏には妻がおり、女性はかつての教え子だった。板野氏は1月14日に釈放され、今後は任意で調べる方針だという。釈放後、報道陣には「被害者の方と示談が成立しておりまして、事実関係につきましては申し上げられない」「本当に今回の件に関しては不徳のいたす限りです。誠に申し訳ありませんでした」と話している。

   板野氏は、著書の「ゴロゴ」シリーズで知られる。古文単語の意味を語呂合わせで解説し、例えば「あした」(意味=朝)は、「あーしたくなる朝」、あながち(なり)(意味=無理)は「穴が血だらけ、無理しすぎ」といった格好だ。

   逮捕の報道後、学生らには動揺が広がり、「発売中止だけはやめて欲しい...」「ゴロゴも回収されちゃうのかな」などとSNS上で書き込まれた。

出荷停止および在庫回収を検討も

   出版元のスタディカンパニーは16日、逮捕を受けてコメントを発表した。

   「容疑は同氏のプライベートに関することであり、また、同氏は既に釈放されておりますが、教育に携わる者の立場として、誠に遺憾であり、同氏の著書である参考書をご愛用いただいている学生の皆さま、先生方、ならびに関係各所の皆さまに多大なご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、出版社として深くお詫び申し上げます」と謝罪。

   出荷停止および在庫回収を検討したというが、「これまで多くのご支持をいただいてきました学習教材としての価値までも無きものにする判断はかえって学生の皆さまに不利益をもたらしかねないこと、また板野氏も十分に反省をしており事件も解決済みであることを考慮しまして、出荷停止、在庫回収の対応は行わず、販売を継続していくことといたします」と理解を求めた。

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