「日本でのすべての安全性の検査もクリアした上で韓国に輸出」
先述した韓国の「生活周辺放射線安全管理法」については、19年7月に改正されたことを複数の韓国メディアが当時報じていた。化粧品や衣服など体に密着する製品に、トリウムやウランといった放射性物質を使用することを禁止したとしている。
背景にあるのは18年5月に起きた「ラドンベッド騒動」。寝具メーカー「テジンベッド」製のマットレスから基準値を超える量の放射性物質ラドンが検出され、大量リコールが起きたことで、工業製品における放射性物質の規制強化が進むことになったという。
フローフシは上記の発表文で、当該商品について「一切問題がない」としているが、日本の法律で「問題がない」一方で韓国の法律に違反していた可能性はないのだろうか。同社は14日、J-CASTニュースの取材に応じ、下記のとおり回答を寄せた。
「当該製品から検出されたとされる放射線量は年間0.00000000696ミリシーベルト(マスカラ)、年間0.00000000936ミリシーベルト(アイライナー)と報道されており、これは、私たちが日常生活において自然界から浴びているとされる年間2.4ミリシーベルト(世界平均)の2.4億分の1未満、また、韓国の生活周辺放射線安全管理法や日本政府のガイドラインが定める安全基準値である年間1ミリシーベルトの1億分の1未満という極めて微量であり、当該製品の安全性には全く問題がないと考えています」
また、発表文にある「異議申し立て」について、申請機関や異議の内容など詳細も説明。次のとおり、韓国で放射線検査を2度受けて嫌疑なしと判断されていること、今回の回収にあたり検査方法などの情報を受けていないことを明かした。
「韓国の販売代理店から以下内容で、韓国の食薬庁(現・食薬処)へ異議の申し立てを行っています。
安全性については、通常の税関検査に加えて過去、韓国内で税関、食薬庁によって2018年12月、2019年10月に2度の放射線に関する検査を受けており、その結果、No nuclides(非核種 / 放射性物質未検出)で嫌疑なしと判断されています。また、日本の第3者機関での検査においても安全性は証明されております。
今回の回収事由は、食薬庁より『化粧品に使用することができない原料配合』と伝えられていますが、現在、検査方法、検出成分、および検出結果についての正式な情報を知らされていない状況であるため、正確な情報の開示を要請しています」