ボクシングの世界4階級制覇のローマン・ゴンザレス(ニカラグア)が、2020年2月29日にWBA世界スーパーフライ級王者カリド・ヤファイ(英国)に挑戦することが濃厚となった。海外メディア「ボクシングニュース24」が報じた。両陣営による交渉は大詰めを迎えており「95%」が完了したという。ロマゴンは復帰第2戦目で早くもタイトル戦のチャンスが巡ってきた。
ヤファイのプロモーターであるエディー・ハーン氏は、ヤファイの対戦相手について、様々な対戦候補がいるなかでロマゴンを選択したと語った。ハーン氏は当初、WBC世界スーパーフライ級王者フアン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)との王座統一戦を計画していたが、エストラーダの手の負傷により計画は白紙となった。
ヤファイ陣営がエストラーダの代役に選んだのは元パウンド・フォー・パウンド1位のロマゴンだ。階級をスーパーフライ級に上げてから精彩を欠き、32歳の年齢的にも全盛期のパフォーマンスを望むことは難しいが、ヤファイ陣営はロマゴンの世界的な知名度や実績に乗じてヤファイの名を世界に売り込むつもりだ。
ロマゴン戴冠なら井岡との対決も
ヤファイVSロマゴン戦の行方は、WBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(30)=Reason大貫=の今後に影響を与えそうだ。井岡は主要4団体の王座統一を目指しており、本人はWBC王者エストラーダ戦を熱望している。手を負傷しているエストラーダの次戦は今秋が見込まれるなか、ヤファイ陣営もロマゴン戦をステップにしてエストラーダ戦を見込んでいることから井岡が希望するエストラーダ戦は一筋縄ではいかないようだ。
ロマゴンがWBA王座を獲得すれば井岡の対戦候補となる。フライ級時代から両者の対戦は期待されており、スーパーフライ級で再起したロマゴンは、井岡を標的にしていることを明言している。井岡もまたロマゴンとの対戦に否定的ではなく、スーパーフライ級で王座統一戦と言う形で対戦の可能性が出てきた。
ロマゴンは井岡戦を実現させるためにヤファイ戦での勝利が絶対条件となる。ヤファイは豊富なアマチュアキャリアを持ち、2016年12月にWBA王座を獲得。以後、5度の防衛を果たしており、プロデビュー以来26連勝中(15KO)の無敗を誇る。ロマゴンはスーパーフライ級での世界戦はこれまで1勝2敗と、フライ級時代までの圧倒的強さが影をひそめるだけにロマゴンがどこまでスーパーフライ級に適応できるか注目される。