高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
米国とイランの一触即発 日本が取るべき方策は...

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ホルムズ海峡は日本経済の生命線

   米国もイランも長期的には戦争を望まない。ただし、短期的には偶発なものを含め紛争の可能性は低くない。

   イランとしてソレイマニ司令官は国民的英雄なので、報復しないと国民向けに示しがつかない。しかも、イランは2月に議会選挙を控える。

   米国トランプ大統領も自身の弾劾潰しとともにオバマ政権時代の中東政策を弱腰と非難し、米国経済が石油価格が上がってもダメージがない上に、今年11月の大統領選を有利に進めたいという思惑もあるだろう。

   こうした中で、日本の立ち位置はかなり微妙だ。何しろ、ホルムズ海峡は日本経済の生命線でもある。石油備蓄は200日以上あるので当面の心配はないが、米国・イランの紛争が長引くと、日本経済にも影響がでてくるので要注意だ。

   しかも、日本は米国の同盟国だがイランとも歴史的に友好関係だ。このため、米国とイランの真ん中の立ち位置を求められる。日本政府のコメントが遅いとかマスコミは喧しいが、拙速にして結果として真ん中の立ち位置を取れなかったら問題だ。後出しジャンケンでいい。米国とイランの両方にパイプのある日本の出番が来るまで、様子を見極め慎重対応しなければいけない。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「韓国、ウソの代償」(扶桑社)、「外交戦」(あさ出版)など。


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