ニュースキャスターの辛坊治郎さん(63)が日本テレビの女性社員にパワハラ行為をしていたと週刊文春が報じたことに対し、辛坊さんがツイッターで反論している。
「いつでも飛ばせる」とは言っていないなどと辛坊さんは言うが、文春の編集部は、「内容に十分自信を持っている」としている。
「お前なんかいつでも飛ばせる」と罵倒したと報じる
辛坊さんは、BS日テレ「深層NEWS」で司会をしており、文春オンラインの2020年1月8日付記事では、「辛坊治郎が日テレ女性社員に『壁ドン』パワハラ」のタイトルで報じた。週刊文春の1月16日号では、さらに詳しく内容が書かれている。
これらの記事によると、19年12月中旬の番組放送後、番組プロデューサーの女性社員は、帰ろうとする辛坊さんを同社玄関口近くで呼び止め、番組内容について話し合った。そのうちに口論となり、辛坊さんは壁に手をつき、チーフプロデューサーの男性社員らがいる中で「お前なんかいつでも飛ばせる」と罵倒したとしている。
きっかけは、ウイグル族の人が勇気を出して中国からの弾圧を語った12月5日の放送で、中国を擁護するような発言をした出演者について、女性社員がもっと扱いをよくしてほしいと辛坊さんに訴えたことだという。
女性社員は、コンプライアンス担当部署に今回のことを訴え、一時、体調を崩して会社を休んだという。
辛坊さんは、文春の取材に対し、女性社員に声を荒げたことは認めたものの、フリーの立場上脅せるわけがないと反論し、パワハラ行為については否定したという。日テレの広報部は、辛坊さんらの言い方が激しくなった場面はあったと文春取材に説明し、辛坊さんから「ショックを与えたとしたらまったく本意ではなく申し訳なかった」といった内容の謝罪があったと答えたとしている。
「『嫌ならクビにしたらいいだろ!』とは言った」
この記事に対し、辛坊さんは8~9日、「辛坊の旅」というアカウント名の公認ツイッターを更新し、反論をつづった。
辛坊さんは、このツイッターで、週刊文春の早刷りが回って来たとして、その記事について「完全な捏造」と断じた。
女性社員に「いつでも飛ばせる」と言ったのは完全なウソだとし、「私はそんな事言わないのを信条に生きてきた!」と説明した。当時のことを今思い出したとして、「貴女は局の責任者なんだから、私の発言がそんなに嫌ならクビにしたらいいだろ!」と逆のことは言ったとした。
「スタッフは真実を知っている。それだけが私の救いです」と述べ、今後については、「弁護士と相談する」とした。
文春が情報をつかんだ背景について、辛坊さんは、「実は問題の背景に某国の陰謀があると睨んでいる。文春もついにかの国の手に落ちたようだ」と独自の見方を示していた。
週刊文春の編集部は1月9日、J-CASTニュースの取材に対し、次のようにコメントした。
「当該記事は、『深層NEWS』(BS日テレ)のキャスターである辛坊治郎氏が同番組の女性プロデューサーに対し、公衆の面前で罵倒し、それによって番組プロデューサーが心労のため会社を休んだという事実を報じたものです。記事に掲載したとおり、辛坊氏と日本テレビは事実関係を認めており、記事の内容については十分自信を持っております」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)