ボクシングのWBA世界バンタム級正規王座決定戦が2020年2月8日に米ペンシルバニア州で行われることが正式決定した。同試合を主催するプレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)が発表したもので、元WBA、WBO世界スーパーバンタム級王者ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)と元WBAスーパーフライ級王者リボリオ・ソリス(ベネズエラ)によってタイトル戦が行われる。
WBAバンタム級の正規王座は井上尚弥(26)=大橋=が保持していたもので、昨年11月に行われたワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級決勝で井上がWBAバンタム級スーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)を破ったことでスーパー王者に昇格。これにより正規王座は空位となっていた。
同王座決定戦は当初、昨年12月に試合が行われる予定だったが、試合直前になってソリスのビザが間に合わないことが判明し、延期となっていた。五輪2大会連続金メダルのリゴンドーは、プロ転向後はスーパーバンタム級の王座を獲得。2017年にはスーパーフェザー級の王座に挑戦するなど階級を上げていたが、井上と対戦するためにバンタム級に下げ、これがバンタム級での初戦となる。
WBO、IBF指名試合、井上が選択するのは...
井上の今年の初戦は4月に米ラスベガスのリングが予定されている。主要4団体の王座統一を目指す井上はWBO世界バンタム級王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン)との対戦を望んでいる。一方で井上が保持するもうひとつの王座であるIBFからは指名試合のオーダーが届いており、返答期限は今月中旬とみられる。
39歳のリゴンドーは年齢的な衰えが不安要素とされるが、昨年は2試合をこなして2勝と安定感は相変わらず。かねてから井上戦を熱望しているだけに、正規王座を獲得すれば、陣営がこれまで以上に井上との対戦をアピールすることは必至だ。井上との王座統一戦となれば「新旧対決」として世界的な注目度は上がるだろう。
井上は6日からジムワークを再開し、4月に予定される2020年度初戦に向けて本格始動。今月下旬にはスパーリングを行う予定だという。今年の目標はWBO、WBCのベルトを獲得して主要4団体の王座を統一することだが、リゴンドーが王座を獲得すれば井上との対戦が現実味を帯びてくる。