石炭火力めぐる日本批判と擁護論 COP25で「成果」はあったか

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環境NGOから「化石賞」

   温室効果ガスをどう削減していくかをめぐり、石炭火力発電にも注目が集まり、ここでは日本が厳しい立場に立たされた。

   石炭火発は化石燃料の中でも天然ガスの2倍以上という多くのCO2を排出するため、グテーレス事務総長が段階的廃止を求め、世界の金融界で石炭火発への融資をやめる動きが広がるなど、国際的に「悪役」扱いだ。だが、日本は国のエネルギー基本計画(2018年7月改定)で、エネルギー源のベストミックスとして、「重要なベースロード電源」と位置づける石炭火力が30年時点で電源構成の26%を占めるとしている。主要7カ国(G7)では、フランスが22年、英国が25年、ドイツも38年までに石炭火発を全廃する方針なのに対し、日本だけが石炭火発の新設を続けるだけでなく、「日本の石炭火発は環境性能に優れる」として海外への石炭火発プラントの輸出を推進しているとあって、国際的な風当たりは強い。

   COP25で演説した小泉進次郎環境相が脱石炭を表明しなかったため、温暖化対策に後ろ向きの国として、環境NGOから「化石賞」を贈られた。小泉氏はこの演説に石炭火発の輸出抑制方針を盛り込もうと図ったが、成長戦略の一環として輸出を促進したい官邸や経済産業省の抵抗で見送ったとされる。

   大手紙は19年11月の米国のパリ協定離脱通告、12月初旬のCOP開幕前後、同15日の閉幕後の社説で繰り返し温暖化問題を取り上げた。

   会議全体については、「温暖化対策の緊急性はわかっても実行に移すのがいかに難しいことか。......温暖化ガスの削減と、現実の政策との開きを見せつけた」(日経12月17日)、「議論がまとまらず、地球温暖化防止の新たな枠組み『パリ協定』に黄信号がともった」(産経同日)など、概して低評価。その中で、環境問題に敏感な東京(同日)が「(採択文書の)表現が緩められたというものの、削減目標を引き上げるというパリ協定の生命線は瀬戸際で守られた」と、肯定的に受け止めようとしているのが目立った。ただ、これは、同社説でも書いているように、「温室効果ガス削減目標引き上げの機運は、保たれたと思いたい」という、多分に願望を込めた表現だろう。

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