国民民主党の玉木雄一郎代表は2020年1月8日の定例会見で、立憲民主党の枝野幸男代表と行った党首会談について、「中身についてはコメントは差し控えたい」などと繰り返した。
立憲側が呼びかけている合流に向けて詰めの協議が行われたとみられるが、発言が協議に影響することを警戒したとみられる。ただ、合流後の玉木氏の人事に言及した立憲側の発言には「あまり見下ろす感じではなくてですね...」と不快感を隠さず、合流協議によって「追及が弱くなったり、刀の切れが悪くなってはならない」と慎重姿勢も見せた。
野党連携に注力しすぎて「追及が弱くなったり、刀の切れが悪くなってはならない」
党首会談は1月7日に都内のホテルで行われ、立憲の福山哲郎、国民の平野博文両幹事長も同席した。玉木氏は(1)衆参一体となって取り組む(2)それぞれ独立した政党・公党なので、対等な立場で交渉・協議していく(3)前提として参院で信頼醸成の努力をする、の3点を求めている。玉木氏は、この3つの方針は「両院議員総会でも説明した方針」だとして、
「授権された方針に従って、協議・交渉を進めていきたいと思っているし、進めているという認識」
などと従来通りの立場を繰り返した。通常国会開会までの合流を求める立憲側の意向を念頭に置いた、
「国会の開会が(1月)20日と言われている中で、その前までに(枝野氏と再び)会う意思はあるのか」
という質問には「今のところ未定です」。さらに、野党連携や合流協議に注力しすぎることへのデメリットにも言及。拙速な合流への警戒感を改めて示した。
「野党、我々が力合わせをどのようにできるかを協議しているが、そのことがかえって野党間の連携を弱めたり、対立を強めたりしては本末転倒」
「野党間の連携強化も大事だが、そのことによって本来やるべき、いま(質問した記者が)おっしゃられたような追及が弱くなったり、刀の切れが悪くなってはならない、ということは、しっかり肝に銘じてやっていきたい」
「もちろん立憲民主党より数が少ないということはあるが」
立憲側の発言に不快感も示した。立憲の赤松広隆衆院副議長は1月5日に名古屋市内で開かれた会合のあいさつで、「立憲民主党」という党名や基本政策、骨格人事は立憲主導で合流協議に臨むように枝野氏に伝えたことを披露した。朝日新聞によると、玉木氏の人事についても次のように言及したという。
「ただ、向こうも何もないとかわいそうですから、(国民代表の)玉木(雄一郎)も代表代行ぐらいで、ちょっと横に置くぐらいの形で最後は決着をつけたらどうかときつく言っておきました」
この発言に対する見解を問われた玉木氏は、一度は「特段コメントするものではないと思うが...」と切り出したものの、反論せずにはいられなくなったようだ。
「あまり見下ろす感じではなくてですね、ぜひ、対話は対等にしていくということで進めているので、是非そこは、私も...もちろん立憲民主党より数が少ないということはあるが、党所属の国会議員や支援いただいている団体や皆さんの思いを受けてやっているので、そこについては是非ご理解いただきたいな、そう思います」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)