イランがイラクにある米軍基地にミサイルで報復攻撃したが、被害状況をめぐる情報は錯そうしている。
日本時間の2020年1月8日朝、イラクにある米軍基地に向け、イランが複数のロケット弾を発射したと報じられた。各メディアの報道によると、イランの革命防衛隊は同日、アメリカがスレイマニ司令官を殺害したことへの報復として、数十発の地対地ミサイルを発射したとする声明を発表した。米国防総省も、イランが十数発以上の弾道ミサイルを発射したとの声明を出した。
死者数めぐり「20人超か」「確認されていない」「80人」...
日本では、菅義偉官房長官が8日の会見で、「日本政府として、すべての関係者に緊張緩和のための外交努力を尽くすことを求める」と述べた。
米軍の死傷者については、「20人超か」とフジテレビが正午頃に米政府関係筋の話として報じたが、米AP通信は同じころ、米軍に死者は確認されていないと、米当局者の話として伝えた。一方、共同通信などによると、イラン国営テレビは15時までに「米国のテロリスト」が「少なくとも80人」が死亡したと放送した。
トランプ氏はツイッターを更新し、被害状況について「今のところ良い方向だ」とし、「明日の朝」(日本時間の8日夜から9日未明)に声明を発表すると明らかにした。
一方、イランのザリフ外相も「我々は事態のエスカレートや戦争を求めてはいない」などとツイッターで発言した。
ニュースサイトのコメント欄やツイッターなどでは、「今回はこれで手打ちにしようということかな?」「イランの国民感情がこの程度で収まるとは思えない」など様々な意見が出ている。
識者のツイッター投稿では、日本国際問題研究所主任研究員の小谷哲男氏が8日昼の段階で、「トランプ政権関係者によると、先程のイランからの攻撃はわざと標的を外した可能性が高いと分析しているらしい。鎮静化のチャンスか」と指摘していた。もっとも、被害状況をめぐる情報は今後更新される可能性があり、予断を許さない状況となっている。