ファミリーマートとローソンで、ゲームや漫画にちなんだキャンペーンが始まり、景品が転売されたりするほど人気が過熱している。
ファミマでは、店の関係者が出品した疑いがあるケースも指摘されている。両社でも、対応に苦慮しているようだ。
「転売ヤー」がツイッターでトレンド入り
「長蛇の列できてんねやけど」「走って買いに行ったのに20分で売り切れ」「早速メルカリで転売されまくってる」「転売の量異常やな...」
ファミマでは、「刀剣乱舞」にちなんだキャンペーンを2020年1月7日午前7時からスタートさせた。対象商品を2個購入すれば、キャラをデザインしたクリアポスターがもらえる。ローソンでも、同じ時刻から、「鬼滅の刃」のキャンペーンを始め、対象商品3個購入でキャラのクリアファイルをプレゼントしている。
ともに景品は数量限定で、ツイッター上では、アニメファンらから前出のような嘆きの声が次々に書き込まれている。特に、テレビアニメが19年に放映され、20年には映画公開も予定されている「鬼滅の刃」については、各店で行列もできるほどの過熱ぶりのようだ。
メルカリでは、キャンペーンスタート直後から、景品が数百円から数千円で出品されている。しかし、商品を買い占めて景品を転売することに対し、反発の声が大きい。こうした行為をする人は、「転売ヤー」と呼ばれている。ツイッターでは、この言葉を使うケースが2万件以上にもなり、トレンド入りするほどの騒ぎになった。
こうした事態に対し、ファンらは、コンビニ各社に対策を訴えるとともに、「転売ヤーにお金を払うな!!」「買う人間も同罪だぞ」などとツイッターで呼びかけていた。
ファミマのキャンペーンでは、店の関係者が出品した疑いのあるケースが見つかったと、ツイッターで指摘されて物議を醸した。
関係者が転売?疑惑をファミマ「現在調査」
それは、メルカリに出品したクリアポスターの画像で、ポスターの後ろにファミマの内部資料のような書類が写っていたからだ。
書類を見ると、「『当り棒分返品』と記載する」「検収印」などと記された見本用らしきものと、品番に続いて「おでん」「おむすび」「サラダ」「スナック」などと書かれた表らしきものがあった。
ポスター全5種類のセットが700円で出品されて売れ切れており、愛知県から発送されていた。
送料は出品者負担。5種類集めようとすれば、店で対象商品を計10個買わねばならないが、この価格では割に合わないなどとして、店の関係者が出品したのではないかとの指摘が出ている。この出品者は、ほかにもファミマの別のキャンペーン景品や商品引換券などを大量にメルカリに出していた。
ファミリーマートの広報部は、店の関係者が出品しているケースがあるかについて、J-CASTニュースの取材にこう答えた。
「ネット上の指摘は把握しており、現在調査しているところです。その結果が分かり次第、適切に対処したいと考えています」
ポスターの転売が相次いでいることについても、「今後も適切に対処したいと考えています」と話した。
ローソンは「希望者全員に届けられず、申し訳ない」
各店に行列ができるほど過熱していることについて、ローソンの広報室は、取材にこうコメントした。
「数量限定ということもあり、ご希望される皆様にお届けすることができず、大変申し訳なく感じております。これまでも、同様のキャンペーンを多数行っておりますが、これほどの反響は初めてで、改めて作品の人気を感じております。今後も、多くの皆様に喜んでいただける企画を実施して参りたいと思います」
ファイルのプレゼントについては、「誠に申し訳ございませんが、再度の実施予定はございません」とした。
転売などへの対策については、こう説明した。
「ローソンで販売している商品や、また景品につきましては、ご自身でご使用していただくことを想定しています。人気商品については、1人でも多くの方のお手元に届くよう皆様にご協力をいただければと思っています。行列につきましては、事故などがないよう注意を払って参りたいと思います」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
(1月11日正午追記)
ローソンは1月10日夜、「ご希望される全てのお客様に確実にお届けするため、数量限定の景品ではなく、ご予約で購入できるクリアファイルの準備を進めております」などとする対応方針を公式サイトで発表した。