卓球五輪代表にサプライズがなかった理由 「残り1枠」水谷、平野が代表入り

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   日本卓球協会は2020年1月6日、都内で会見を行い、20年東京五輪代表の男女各3人を発表した。男女ともに1月発表の世界ランキングで日本人上位3位までの選手が選出され、男子は張本智和(16)=木下グループ=、丹羽孝希(25)=スヴェンソン=、水谷隼(30)=木下グループ=、女子は伊藤美誠(19)=スターツ=、石川佳純(26)=全農=、平野美宇(19)=日本生命=が選出された。

   日本の卓球史上最も熾烈な争いといわれた東京五輪代表が正式に内定した。すでに男女ともにシングルス代表の2人は「内定」を得ており、残り1枠を巡る争いが繰り広げられた。男子の3人目は水谷、女子は平野が代表の座を勝ち取った。水谷は混合ダブルスの代表にも選出され、団体戦と2種目での出場となる。

  • 平野美宇(2019年3月撮影)
    平野美宇(2019年3月撮影)
  • 平野美宇(2019年3月撮影)

平野を選出したメリットは?

   団体戦要員となる3人目を巡り、女子は世界ランキング上位の平野、佐藤瞳(22)=ミキハウス=、早田ひな(19)=日本生命=らが候補に挙がっていた。この日の会見で女子日本代表の馬場美香監督は、佐藤と早田が選考の過程で候補にあったことを明かし、平野を代表に選出した理由を次のように説明した。

「打倒中国を目指しているので、ダブルスでも点を取り、シングルスでも活躍出来るということを考えた時に平野選手が一番最適ではないかと。佐藤選手はシングルスで非常に活躍しておりますが、やはりダブルス、シングルス両方で活躍という部分で平野選手を選考させていただきました」

   馬場監督は平野選手を選出したことによって団体戦のオーダーのバリエーションが増えたことに言及。団体戦は3勝先勝制で、1試合目にダブルス、2試合目から4試合連続でシングルスとなる。通常、エース格の選手がシングルス2試合に出場し、残り2選手がダブルスとシングルスを掛け持ちするが、ダブルス、シングルスで実績を持つ平野がメンバーに加わったことで対戦国によってオーダーを組み替えることが可能になるという。

水谷は団体戦、混合ダブルスでメダルの期待が

   一方の男子は2016年リオデジャネイロ五輪男子シングルス銅メダルの水谷が3枠目に入った。団体戦要員となる3枠目に関しては、ダブルスの出場が見込まれる丹羽が左利きということもあり同じ左利きの水谷との相性が懸念されたが、長らく日本男子をけん引してきたエースの実績と経験が評価され、チームの精神的支柱として期待がかかる。

   また、水谷の代表選出にあたっては、水谷の世界ランキングも選考理由のひとつとなったという。男子チームは20年東京五輪で「チーム世界ランキング2位以上」を目標に掲げている。現在、中国が世界ランキング上位を占めており、2位を争う日本のライバルとなるのは韓国とドイツ。目標を達成するためにも日本選手世界ランキング3番手の水谷を選出したという。

   男子日本代表の倉嶋洋介監督は「張本をエース使いにすると、丹羽とダブルスを組まないといけないので、そういう点では右利きの選手というのも頭の中にありました」と、水谷以外の選択肢があったことを明かした一方で水谷を「ダブルスの名手」と高く評価し、「たとえ左利きのペアでもオリンピックで戦える戦力になる」と期待を寄せた。

   水谷は伊藤とペアを組む混合ダブルスでもメダル獲得の期待がかかる。混合ダブルスは当初、エントリー締め切りまで決定しない方針だったが、この日急遽、発表された。男女それぞれ3人の代表選手の中から選考するにあたり、実力、実績、ランキングを考慮した際、水谷、伊藤ペアが最適だと判断したという。今後はペアのコンビネーションや戦術面を向上させ、メダル獲得を目指していく。

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