シリア空爆では米国非難、1週間後に新型弾道ミサイル発射
核やミサイルでの協力関係が取りざたされるなど、北朝鮮とイランとの関係は深いが、現時点では、北朝鮮はソレイマニ司令官殺害を直接批判することを避けている。
ソレイマニ司令官の殺害については、1月5月に朝鮮中央通信、翌6日に労働新聞が報じた記事で触れている。ただし、見出しは「国連憲章に違反した米国のミサイル攻撃を糾弾」。4日に中国の王毅国務委員兼外相とイランのザリフ外相が電話会談し、両外相が米国を非難することを伝える内容だ。ソレイマニ司令官殺害についても、
「去る3日未明、米国はイラクのバグダッド市にある、ある飛行場にミサイル攻撃を加えた。これによって現場にいた、イランイスラム革命防衛隊コッズ軍司令官とイラク民兵武力の高位指揮官らが死亡した」
として、具体的な名前を出さずに報じた。
米国が17年4月にシリアの軍事基地を空爆した際には、北朝鮮は国営メディアを通じて
「主権国家に対する明々白々とした侵略行為であって絶対に容認されない」
などと非難し、爆撃が北朝鮮への「警告」だとの見方があることについても、
「それに驚くわれわれではない」
と主張し、実際にその1週間ほど後に新型中距離弾道ミサイル(IRBM)「火星12」型を発射している。
今後、北朝鮮では金正恩氏の誕生日(1月8日)、金正日総書記の誕生日(2月16日)、金日成主席の誕生日(4月15日)など、次々に重要な日程を迎える。こういったタイミングで、新型兵器の実験など新たな行動に踏み切る可能性もありそうだ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)