幻のW杯からプロリーグ化まで... 元代表監督・日比野先生が語る、ラグビー界の今とこれから

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プロ化は「セカンドキャリア」まで考えるべき

   ところでJRFUは2019年7月、将来のプロリーグ化を実現したいという意向を明らかにした。現状のTLには、プロ契約選手と社会人選手が混在している。

   どちらも一長一短ある。プロ選手の場合、契約によって年間数千万円ともいわれる年俸を手にすることができる。一方で、ケガ等でプレーができなくなった場合、解雇を余儀なくされることも考えられる。

   社会人選手は、主に大学を卒業して企業に就職し、その中でラグビーをすることになる。一定程度の仕事免除はあるものの、プロ選手と同じように「ラグビーだけしていればいい」というものでもない。しかし引退となった場合は企業に残り、チーム運営や選手のリクルーティング活動といったことに従事するなどで、サラリーは得られる。

   プロリーグ化を進めるJRFUに対し、日比野先生は、

「協会がやろうと思うことに異論はない。ただ、プロ化となった場合、セカンドキャリアまで考えてあげるべきだろうな。プロ野球やJリーグでは、そういった取り組みについて考えている...といった話も聞くしね。プロが終わった後、どういう生活があるのか? 例えば、年金みたいなファンドを作るとか。議論をもっと深めていくことが大切」

   一方、今大会を経て「ラグビーをしたい」という子どもたちが増えたことも事実だ。そういった子どもたちの普及や育成については、どう思うのか?

「山(代表)を高くするためには裾野(底辺)を広げないと。2020年は東京五輪があるけれども、五輪の中でも各競技は生き残りをかけた競争だから。TLをはじめ、各チームがいろいろやっているとは聞いているけど、まずは足元固めをしないと。せっかく、こんな追い風が吹いているんだから」

   インタビュー時間は1時間をゆうに超えた。当初は「にわかファン」と笑っていたが、質問するたびに、立て板に水のごとく言葉があふれ出した。

   日比野先生のラグビーに対する情熱を、今後のラグビー界にも引き継いでいきたい。

(J-CASTニュース編集部 山田大介)

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