推しと「24時間つながれる」時代の病 「匂わせ」炎上を私たちは克服できるのか

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タレントとファン、心理のすれ違い

   なぜ、アイドルのファンは匂わせを嫌うのか。そして、炎上のリスクがあっても交際をほのめかしたくなるタレントがいるとすれば、その心理は何か。心理学者の鈴木丈織氏やネット社会に詳しいITジャーナリストの井上トシユキ氏らに取材すると、アイドルとファンそれぞれの立場が浮かび上がる見解が得られた。

   鈴木氏は匂わせ投稿をする心理を、「ファンや交際相手へのアピール」とともに、「ファン目線での妄想気分」があるのはないかと指摘する。交際相手にまつわるものを読者(ファン)に見せ、「遠回しに相手への告白や、自分の愛情の深さをファンにアピールすると同時に、不特定多数のファンと秘密を共有して興奮を得たいのではないか」というのだ。交際相手のファン同様、自分は相手のこんなところが好きで、秘密も知っている、とアピールし、ファンと同じ目線で交際相手を愛でたい、という心理があるようだ。このようにして「ただ自分の幸せをファンと分かち合い、同じ幸せを味わって幸福感を共有したい」と鈴木氏は分析する。

   タレントの方には、ファンと同じ目線で(交際相手の)恋人気分でいたい心理があるようだが、匂わせに批判を浴びせるファンの反応とはずいぶん食い違いがあるようだ。ファン側の心理について鈴木氏は、「独占化と占有化」の心理を指摘した。

「タレントに対してファンは役柄やビジュアルイメージを勝手に設定し、イメージを固定化する傾向があります。『みんなのあなた』ではなく『わたしのあなた』という独占的なイメージを持つ可能性があるのです」(鈴木氏)
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