いすゞ、「UDトラックス買収」の意味 ボルボ・グループ業務提携で何が変わる

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   トラック・バスなど商用車で国内首位のいすゞ自動車が、スウェーデンの大手ボルボ・グループと次世代技術の分野で業務提携することになった。さらにいすゞはボルボ子会社のUDトラックス(旧日産ディーゼル工業)を買収するとも発表している。

   いすゞは、ボルボが持つUDトラックスの全株式を2020年末までに取得する予定で、当面はUDトラックスのブランドは存続するが、将来的に商品は統合する可能性が高い。

  • 「いすゞ自動車」公式サイト
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先端技術や商品開発で提携メリット

   国内の商用車専業メーカーは、首位のいすゞに続く2位がトヨタ自動車子会社の日野自動車で、3位は独ダイムラーが株式の89.3%を握る三菱ふそうトラック・バス、4位がUDトラックスの4社体制となっている。UDは日産ディーゼル時代のブランド名だが、いすゞが完全子会社とすることで、将来的には消滅する可能性がある。国内の商用車専業メーカーは実質的に大手3社に集約されることになる。

   いすゞの片山正則社長は19年12月18日の発表記者会見で「ボルボ・グループとは得意な商品が異なり、相性がよい。対等なパートナー関係のもと、先進技術への対応や物流改革など、長期的な協業機会を検討したい」と発言。同席したボルボのマーティン・ルンドステット社長は「お互いの強みを生かし、変革をリードしていきたい」と応じた。

   ボルボ・グループはボルボ・トラックやルノー・トラックなどを傘下に持つメーカーで、商用車の中でも大型車に強みがあり、欧州や北米でのシェアが高い。いすゞは日本国内や東南アジアで中小型トラックを得意としており、両社は電動化や自動運転など「CASE」と呼ばれる先端技術への対応や商品開発で提携するメリットが大きいと判断した。

かつてはGMと提携していたが...

   いすゞは1960年代にベレットやフローリアンなどの乗用車を生産していたが、乗用車部門の不振が続き、1971年から米ゼネラル・モーターズ(GM)がいすゞ株を一部保有するなど、長く提携関係にあった。しかし、GMの経営悪化で2006年に提携を解消。トヨタがいすゞの株式を取得し、ディーゼルエンジンの共同開発などを目指したものの、成果が上がらず18年に資本関係を解消していた。トヨタはグループ内にいすゞの最大のライバルである日野自動車を抱えており、ディーゼルエンジンをいすゞと開発するメリットが少なかったのだろう。

   トヨタとの資本提携を解消して以降、いすゞは世界的に再編が進む自動車業界で取り残された格好だった。今回、資本提携はないものの、いすゞがボルボ・グループと手を組み、ライバルだったUDトラックスを買収することは、業界的には久々のビッグニュースだ。いすゞはトヨタとの資本提携の解消後、ボルボとの提携協議に入っていたという。

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