鯨肉のお店に聞くと...〇〇のお客が多い!?
現時点での鯨肉の流通状況などについてはもちろん、船上での血抜きができることで味が良くなることも教えてくれた共同船舶の広報担当者。それを知ったJ-CASTニュース記者は、消費者のすぐ近くで働く関係者の言葉も聞きたくなった。それも、鯨肉の味に人一倍敏感な関係者に。
そこで、J-CASTニュース編集部は、東京・築地場外市場で営業している鯨肉の販売店「鯨の登美粋」に取材を実施。代表を務める松本宏一さんが商業捕鯨再開後の店や客の変化について語ってくれた。
取材を行った12月下旬時点で店に置かれている商品のほとんどは、すでに商業捕鯨によって得られた鯨肉に置き換わっていると明かす松本さん。その価格について、クジラの皮とそれに付随する脂肪分である「本皮」をはじめとする「白手物」という部位については、調査捕鯨時代よりも価格が下がっていると説明してくれた。加えて、捕鯨船上での血抜きができるようなったことなども含め、商業捕鯨再開後の鯨肉の味について、
「格段に美味しくなっているので、量販店、飲食店でも扱いやすいものになってきていると思います」
と太鼓判を押した。また、商業捕鯨再開に伴い出せる部位が増えたかについて聞いてみると、「そこについては特に変わりはありません」とのことだった。
J-CASTニュース編集部が取材に訪れた当日は、年の瀬ということもあって「鯨の登美粋」をはじめ、築地場外市場は買い物客でごった返していたが、その中には外国人らしき人々の姿も。そこで、どの国の人が多いか聞いてみると、実際に数えたわけではなく、あくまで体感としつつ、
「意外に思われるかもしれませんが、『反捕鯨国』と位置付けられているアメリカとオーストラリアの方が1位、2位を争う感じです。そこから大きく離れて3位に中国の方という感じですかね」
と明かしてくれた。また、日本人の来店者については、
「商業捕鯨再開後は『再開されたね』『頑張ってね』といった温かい声を頂く機会が増えたように感じます」
と、その声に応えていきたいとニッコリ。少しでも鯨肉の流通に貢献できればと話す松本さんの表情は実に明るいものだった。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)