捕鯨行う会社に聞いてみた
1988年から2019年まで行われていた調査捕鯨の時から日本国内の鯨肉の流通に携わってきた「共同船舶株式会社」に、J-CASTニュ-ス編集部は取材を実施した。
最初に、商業捕鯨が再開されたがスーパーで鯨肉は見かけないように思えてしまう点について聞いてみると、
「まず、我が国における捕鯨は『母船式捕鯨業』と『小型捕鯨業』に分けられます。私たち共同船舶は母船式捕鯨を行う日本で唯一の会社です。当社の今年の操業において、母船式捕鯨を行う日新丸船団は約1430トンの製品を水揚げしました。7月末に仙台港で水揚げした分の製品については、一部スーパーで『商業捕鯨初物』としてお刺身用赤肉などが販売されております。10月の操業終了時に下関港で水揚げした製品については、12月より本格的な流通が始まりました」
と、本格的な流通が今まさに進んでいると説明する。
次に、「商業捕鯨再開で鯨肉の流通量が増えれば、鯨肉の価格が下がるのではないか」との期待がネット上の一部に見受けられるが、それについて聞いてみると、
「スーパーなど市場での価格は私どもで管轄できる範疇にないのですが、商業捕鯨が始まったばかりということもあり、まだ価格に大きな変化はないと考えています。今後は高品質な製品をよりお求めやすい価格で消費者の皆様にお届けできるように、会社をあげて取り組んでまいります」
との姿勢を示した。また、商業捕鯨では調査捕鯨と違い、船上での血抜きが可能なため、臭みが少ない肉になると言われているが、これについては、
「確かに血抜きもありますが、今回捕獲したニタリクジラは魚ではなくオキアミを食していることから臭みがほとんどなく、また、脂のりの良いものとなっています。仙台市中央卸売市場での試食提供及びセリ、OSAKAくじらフェス2019の品見会ではそれぞれ流通・飲食関係者から弊社製品への高い評価をいただきました」
と自信を見せた。