「今はとにかく利便性が重視されている」
こうした街が評価されているのは、イメージよりも、実際のコストパフォーマンス重視という世相が大きく関係しているといえそうだ。「かつては世田谷区に住みたいなどイメージに左右される傾向が強かったが、今はとにかく利便性が重視されている」(不動産関係者)という。特に若い世代は夫婦共働きが当たり前になっており、通勤に便利なことは住む場所を選ぶ際の大きな条件だ。コスパと利便性の重視は今後もいっそう強まるだろう。
一方、これまで人気が高かった地域に微妙な変化が表れている。タワーマンションに象徴される川崎市・武蔵小杉がその一つ。マンションの供給が増え、人口が急増した結果、最寄り駅の混雑が激しくなってなかなか入場できないなど問題が生じる中、2019年10月の台風災害で、タワーマンションの弱点が露呈した。「今後は防災面から立地や物件を選ぶ傾向も強まりそうだ」と話す不動産関係者も多い。