「ウチの前に聖火リレーが通った!」
2020年といえば、なんと言っても東京五輪・パラリンピックだ。前回大会(1964年)はもちろん、その後の札幌、長野であっても、ツイッター実況はできなかった。国民的イベントが「可視化」されるとなれば、長所も短所もある。
メリットはやはり、興奮を共有できる感覚だ。新元号に切り替わった昨年4月30日から5月1日にかけては、SNSが「令和」一色になった。それと同じようなリアルタイム感が、毎日のように繰り返され、ニュースアプリによる「ネタバレ」に一喜一憂する人もいるはずだ。
一方、お祭り気分で忘れがちなのが、プライバシーの観点だ。誰しも可能性があるのが「住所バレ」のリスク。全国各地を聖火リレーがめぐるが、安易に「ウチの前通った!」と写真付きツイートをすると、おおよその住所が知られてしまう。プライベートを日々投稿しているSNSでは、注意する必要があるだろう。
世界各国から人が集まれば、人種や宗教などを揶揄するヘイトコメントも増えそうだ。国際オリンピック委員会(IOC)のオリンピック憲章には、こんな一文がある。
「スポーツをすることは人権の1つである。すべての個人はいかなる種類の差別も受けることなく、オリンピック精神に基づき、スポーツをする機会を与えられなければならない。オリンピック精神においては友情、連帯、フェアプレーの精神とともに相互理解が求められる」(日本語版)
ネットでの五輪実況も同様に、フェアプレーの精神が重要になってくるだろう。
(J-CASTニュース編集部 城戸譲)