NHK紅白歌合戦に出場する歌手の中には、中国や台湾をはじめとする東アジア圏で活躍するグループも多く、リハーサル後での囲み取材でも海外を意識した発言が相次いだ。
紅白歌合戦は国外でも生放送されており、嵐の櫻井翔さん(37)は「同じ時間を一緒に楽しめたら」などと国外のファンに呼びかけた。
NHK見られるホテルに泊まり込んで「紅白鑑賞会」
紅白歌合戦は、海外向け有料チャンネル「NHKワールド・プレミアム」を通じて、海外100カ国以上の国・地域のケーブルテレビや衛星放送で見られる。アジアを中心に、比較的グレードの高いホテルでは「NHKワールド・プレミアム」と契約しているところも多い。ラジオでも、国際放送「NHKワールド・ラジオ日本」を通じて、短波や衛星ラジオでも聞くことができる。
特に日本のアイドルファンが多いとみられるのが中国だ。NHKワールド・プレミアムが見られるホテルに泊まり込んで「紅白鑑賞会」を開く熱心なファンも珍しくない。
こういったことを念頭に、2019年12月29日に行われた嵐の囲み取材でJ-CASTニュースの中国語版担当の中国人記者が
「紅白のパフォーマンスを中国でも沢山のファンが楽しみにしている。中国のファンに向けて一言」
とメッセージを求めたところ、櫻井さんは、多くの中国人ファンが嵐のコンサートに来たり、嵐が20年春に北京でコンサートを開いたりすることを挙げながら、
「紅白歌合戦、生放送ですし、色々な国にライブで届いてますから、同じ時間を、日本と中国は離れているけれども、生放送ということで同じ時間を一緒に楽しめたらと思っています」
などと呼びかけた。記者の「ありがとうございます」という一言に、櫻井さんは「日本語でごめんなさい!」と応じた。
AKB48の上海メンバー「中国でも紅白は有名」
AKB48グループも、19年1月にバンコク、8月に上海で海外姉妹グループとコラボした「アジアフェスティバル」を開くなど、海外に目を向ける。19年の紅白では、海外の8グループ(JKT48=ジャカルタ・BNK48=バンコク・MNL48=マニラ・AKB48 Team SH=上海・AKB48 Team TP=台北・SGO48=ホーチミンシティ・CGM48=チェンマイ・DEL48=デリー)のエースを交えて、18年にタイで大ヒットした「恋するフォーチュンクッキー」を披露することになっており、AKB48 Team SHのリュウネンさん(18)は、母国でも人気の紅白への思いを語った。
「紅白に来られて、とてもうれしい。『恋チュン』もすごく人気で、ここでパフォーマンスできることを楽しみにしている」
「中国でも紅白歌合戦はけっこう有名。沢山の人が見ており、有名な人が毎年出ているので、ミュージシャンが好きな人も見ており、人気がある」
Hey! Say! JUMP薮宏太、2019年の漢字が「空」だった理由
Hey! Say! JUMPも、国外の活動に言及した。薮宏太さん(29)は2019年の漢字として「空」を挙げ、理由を
「台湾公演もさせていただいたし、海外に行く機会もあり、今回歌わせていただくのも『上を向いて歩こう』。台湾公演の中では久しぶりにフライングもさせていただいたし、空にジャニーさん(19年7月に死去したジャニー喜多川氏)も見守ってくれているのではないか」
などと説明。同グループは19年10月に台北市内で7年ぶりの台湾公演を開き、2日間で約2万2000人のファンが詰めかけた。台湾公演がグループの中で大きく位置づけられていたことがうかがえる。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)