小売りや外食業界で、年末年始の休業や営業時間を短縮する動きが急速に広がっている。
2019年はコンビニエンスストアの全国一律24時間営業が大きく問われる年になったが、深刻さを増す人手不足と人件費の高騰に加え、従業員の働き方改革への理解などが背景にあるとみられる。消費者の年末年始の過ごし方を変える可能性も強まっているといえそうだ。
コンビニが、ジョナサンが、ロイホが、一風堂が...
「24時間・365日」が当たり前だったコンビニ業界ではこの年末年始、これまでにない場面が見えそうだ。ローソンが12月31日~1月2日の間で、25都道府県の加盟店約100店で休業の実証実験を行うほか、セブン-イレブン・ジャパンも東京都内の約50の直営店で元日休業を行う計画だからだ。
全国一律24時間営業は加盟店オーナーを苦しめているとして、社会的な批判を呼び、見直しの取り組みもようやく始まった。元日休業の実験結果によっては、コンビニの景色がいっそう変わる可能性もある。
一方、24時間営業の見直しではコンビニに先駆けてきた外食業界では、取り組みが加速しそうだ。すかいらーくホールディングス(HD)は、従業員に少しでもゆっくり過ごしてもらおうと、「ジョナサン」や「ガスト」など全体の約8割にあたる約2700店で、大みそかの12月31日18時~元日正午までを休業するという。ロイヤルHDは、主力の「ロイヤルホスト」の約9割にあたる約200店などで大みそか、元日を休業にする。ロイヤルホストの大みそかの休業は初めてだという。
また、博多ラーメン店「一風堂」を展開する力の源HDは、全体の約半数にあたる約70店で31日~1月2日まで3日間にわたる休業に踏み切る。年末年始の一斉休業は創業以来初といい、「従業員のワークライフバランスを整えることで、より良い商品とサービスの提供を目指したい」としている。幸楽苑HDが運営するラーメンチェーン「幸楽苑」も、大みそかは14時に閉店し、元日を休みにする。
中華チェーン「日高屋」を展開するハイデイ日高は、都心店を中心に、12月31日~1月2日までの間で、150店が、店舗ごとに休業日を設定して休む。
定食チェーン「大戸屋」を営む大戸屋HDは、全国350店中183店で元日を休み、うち57店は大みそかから連休、また2日も休む店もある。