三菱重工が狙う「残存者利得」 あえて「逆風」に挑む理由

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金融市場のまなざし

   裏返しで、事業の「選択と集中」を進めている日立は、あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」などのデジタル分野を事業の中心に据えようとして日立化成を昭和電工に売却すると決めたばかり。MHPSは既に日立本体から切り離しており、南アフリカの一件の処理に合わせて、三菱重工にくれてやろうと考えたとしてもおかしくない。さしずめ2000億円は「手切れ金」か。

   環境NGOの調査によると、石炭火力発電の開発企業に対する世界の融資額ランキングで、日本のメガバンクが上位を独占しているという。それは世界の潮流に逆行しており、COP25の開催に前後して、米ゴールドマン・サックスなど欧米の大手金融機関が石炭火力発電事業への融資を絞る方針を明らかにしている。三菱重工はMHPSの完全子会社化で、残存者利益を独占できるのか、それとも金融市場から失望されるのか。転換期の難しい判断だったことは間違いないだろう。

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